いわき市議会 > 2008-03-07 >
03月07日-06号

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  1. いわき市議会 2008-03-07
    03月07日-06号


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    平成20年  2月 定例会           平成20年3月7日(金曜日)議事日程 第6号 平成20年3月7日(金曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問 日程第2 意見書案第1号(提案理由説明~採決)         ------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第6号記載事件のとおり〕         ------------------出席議員(39名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     14番  根本 茂君      15番  木田孝司君     16番  酒井光一郎君     17番  大平洋夫君     18番  磯上佐太彦君     19番  塩田美枝子君     20番  安部泰男君      21番  溝口民子君     22番  高橋明子君      23番  古市三久君     24番  樫村 弘君      25番  蛭田 克君     26番  遊佐勝美君      27番  矢吹貢一君     28番  阿部 廣君      29番  諸橋義隆君     30番  若松昭雄君      31番  大間守光君     32番  佐久間 均君     33番  猪狩勝省君     34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君     36番  吉田正登君      37番  藁谷利男君     38番  石井敏郎君      39番  遠藤重政君     40番  永山哲朗君欠席議員(1名)     13番  岩井孝治君         ------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   副市長        村田文雄君 副市長        高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   中野真理君   教育長        砂子田敦博君 病院事業管理者    鈴木孝雄君   代表監査委員     駒木根登志男君 農業委員会会長    草野弘嗣君   選挙管理委員会委員長職務代理者                               小松英昭君 行政経営部長     仲野治郎君   危機管理監      佐々木 仁君 総務部長       猪狩正利君   財政部長       陸川克己君 市民協働部長     鈴木英司君   生活環境部長     荒川喜一君 保健福祉部長     木村 清君   農林水産部長     高木直昭君 商工観光部長     若松勇四郎君  土木部長       佐藤 廣君 都市建設部長     高島信夫君   消防長        上遠野洋一君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 病院局長       鈴木正一君   監査委員事務局長   渡邊義典君 農業委員会事務局長  坂本公男君   参事(兼)秘書課長   佐藤靖典君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君         ------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課課長補佐  山崎俊克君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       久保木隆広君 主査         加藤高明君   主査         金晃彦君 主査         千葉恭子君   主査         金山慶司君           ------------            午前10時00分 開議 ○副議長(鈴木利之君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第6号をもって進めます。         ------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 △小野茂君質問 ○副議長(鈴木利之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。8番小野茂君。          〔8番小野 茂君第二演壇に登壇〕 ◆8番(小野茂君) (拍手)8番公明党の小野茂です。通告に従いまして質問させていただきます。 本日、3月7日は消防組織法が施行され、自治体消防制度が発足してから60周年を迎えることとなりました。市民の安全・安心を確保する消防行政は、市民生活の基盤となります。本市でも、現在、春の火災予防運動が実施されており、積極的な予防活動が行われております。この期間に限らず、経年の地道な活動により出火件数が減少傾向にあると聞いており、その成果と取り組みに敬意と感謝を申し上げるものであります。 さて、この60年間では、災害の多様化・大規模化が進んでおります。その1つに、戦後最大の都市型災害となりました阪神・淡路大震災があります。当時、朝のニュースで見た震災の映像がいまだに目に焼きついております。 私が市議会議員となって初めて強い衝撃を受けた事件・ニュースの1つは、平成16年10月に発生した新潟県中越地震による災害でありました。とっさに13年前の阪神・淡路大震災の様子を思い起こしてしまいました。政府は、昨年、被災者生活再建支援法を改正し、渡し切り方式へと支援金の支給に関する利便性の改善を図りました。また、新潟県中越沖地震の被災者も支援金を受けられることになり、大変に喜ばれているところであります。改めて被災者の皆様の一日も早い復旧と再興を願ってやまないところであります。 阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震などの災害を経験したことによって、地震災害に対する防災施策が前進してきております。震災による死亡原因の90%は、家屋の倒壊による圧死であったことから、家屋の耐震対策が講じられてきたところであります。政府は、耐震改修促進法を制定し、国の方針を定め、福島県においては、耐震改修促進計画が作成され、そして本市においても、計画策定に向けて取り組まれているところであります。今後、本計画をいかに実効性のあるものとするかに焦点が移って来ると考えております。 そこで、既存建築物の耐震化についてであります。平成7年に発生したこの阪神・淡路大震災では、地震による直接的な死亡者数の約9割が住宅などの倒壊等によるものであったと言われておりますが、昨年3月に発生した能登半島地震では、近年の同程度の地震に比べ、全壊した住宅の数や犠牲者が少なく、大きな火災も起きなかったと報道されております。被害が低く抑えられた理由として、雪対策のために柱を太くした民家が多かったと指摘する声もあるなど、震災の被害を低く抑えるためには、住宅を強くするという教訓が改めて示されたものと思います。 近年、大地震がいつどこで発生してもおかしくない状況下にあることから、地震による被害を減らし、市民の多くの生命や財産を守るためには、住宅の耐震化が有効かつ効果的であると考えております。そのような中、私は、平成18年2月定例会において、木造住宅耐震診断促進事業の創設について質問しました。その際、市の耐震改修促進計画に向けた検討に当たっては、県の耐震診断促進事業との整合性を図りながら、本市の木造住宅等の耐震改修の促進につなげていきたいと考えているとの答弁をいただいております。今年度、新・いわき市総合計画実施計画に、住宅の地震に対する安全性の確保・向上を図り、震災に強いまちづくりを推進するため、耐震診断を実施する事業が位置づけられたことは、市民にとって安全・安心の暮らしの前進であり、大変喜ばしいことであると考えております。 そこで、木造住宅の耐震対策について、国・県の木造住宅に対する耐震診断の取り組み状況について伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 木造住宅の耐震診断の取り組みにつきましては、国において、建築物の耐震改修の促進に関する法律、いわゆる耐震改修促進法の改正にあわせ、平成17年度から住宅等の耐震性の向上に資する事業を助成する住宅・建築物耐震改修等事業を実施しており、木造住宅の耐震診断に対する支援の充実を図っております。 また、県においても、国の支援制度と連携し、木造住宅の耐震診断を促進するため、平成17年度から、市町村が耐震診断者を派遣する場合に、費用の一部を補助する福島県木造住宅耐震診断促進事業の取り組みを行っております。 ◆8番(小野茂君) それでは、木造住宅耐震診断者派遣事業について、本市で計画しております派遣事業はどのようなものを考えているのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 本市が計画しております木造住宅耐震診断者派遣事業は、震災の被害を最小限に食いとめ、住民の安全を確保するため、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅の所有者が耐震診断を希望する場合、建築士を派遣し、耐震診断を実施する事業となっております。 ◆8番(小野茂君) それでは、耐震診断後の対応について、どのように考えているのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 診断の結果、倒壊の可能性が高いとされた住宅につきましては、耐震改修を行う場合の補強方法等について、具体的な改善事例を示すとともに、長期・固定金利で安定した資金計画が立てられる住宅金融支援機構によるリフォーム融資制度の周知を図るなど、耐震補強に対する適切な指導・助言等を行ってまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) この耐震診断の事業は、耐震改修につなげていくために重要なものと考えております。今後も、この改修の支援についても御検討いただきたいと思います。 次に、本市では、今年度、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための指針として、いわき市耐震改修促進計画を策定するよう準備を進めていると伺っております。そこで、現在、策定準備中のいわき市耐震改修促進計画について、国・県の計画はどうなっているのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 国は、改正耐震改修促進法の施行にあわせ、平成18年1月に建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本方針を定め、県は、この基本方針に基づき、平成19年1月に耐震改修促進計画を策定しております。これら基本方針及び促進計画では、耐震化を図るべき建築物としている住宅及び特定建築物等の耐震化率を平成27年度までに90%とすること目標としております。 ◆8番(小野茂君) それでは、本市の計画の内容について、どのようなものか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 本市の耐震改修促進計画は、国の基本方針、県の計画を勘案し、市内の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための指針として策定することとしております。 計画の内容は、住宅・学校・ホテルなどの特定建築物及び避難施設などの防災重要建築物について、耐震化を図るべき建築物とし、平成27年度までに耐震化率90%とすることを目標としております。 また、耐震化を図る施策として、耐震診断や耐震改修等の補助制度の検討、緊急輸送路沿道の特定建築物の耐震化、落下物・ブロック塀対策等の推進を図ることとしております。 ◆8番(小野茂君) それでは、先進的な自治体の例から、この耐震改修が実際に進んでいるのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 手元に具体的な事例としての資料は持っていないんですが、ただ、テレビ等の報道によりますと、静岡県の場合、耐震化が進められているという形にはなっていないという報道もなされております。そこで、耐震化を進めるためには、どうしてもPRが必要なのではないかなと考えております。 ◆8番(小野茂君) それでは、なかなか進んでいないというものに対して、どのような理由が挙げられるのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) これは争点になるわけですが、いつ来るかわからないという地震に対して、今、耐震化を進めるべきかということを勘案すると、お金がかかるからまだ大丈夫だろうという判断、そういうことが想定されるのかなと思っております。 ◆8番(小野茂君) そのような状況の中で、いわき市の地域性・状況も勘案して、特段この計画について配慮したところがありましたら伺いたいと思います。
    都市建設部長(高島信夫君) 耐震化を進めるという目標を、平成27年度までに90%としたわけですが、それ以外に、耐震化を図る施策として、耐震診断・耐震改修等の補助制度の検討とか、緊急輸送路沿道の特定建築物の耐震化、さらには、落下物・ブロック塀等対策の推進を施策として挙げているというところが特徴かなと考えております。 ◆8番(小野茂君) それでは、この計画の対象となります建築物における耐震化の現状について伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 住宅につきましては、総務省統計局が実施した平成15年住宅・土地統計調査により、市内の住宅総数約12万4,000戸のうち、約8万9,000戸の住宅が耐震性能を有していると推定しております。 また、特定建築物及び防災上重要建築物につきましては、平成18年度末現在、対象建築物となる1,198棟のうち785棟が耐震性を有していることを確認しております。 ◆8番(小野茂君) この耐震化を促進するための動機づけにつながる施策というものをやはり設けて、より実効性のある計画とすることが必要ではないかと考えていますが、御所見を伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) まさに議員御指摘のとおり、そういう考え方というのは大切だと考えております。 ◆8番(小野茂君) 御検討いただきたいと思いますけれども、次に、計画の対象となる建築物の所有者等への周知についてはどのように行うのか伺います。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 耐震化の対象建築物である住宅・特定建築物・防災上重要建築物の所有者等への周知につきましては、建築相談窓口の設置、パンフレットの作成・配布、町内会等との連携などにより、耐震化に対する啓発及び知識の普及を図るとともに、特に、特定建築物及び防災上重要建築物の所有者等につきましては、文書により個別に周知を図るなど、あらゆる機会を通じ、周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) 本計画の策定に当たっては、市民の皆様から意見を反映するため、先月の4日から18日までパブリックコメント募集をしておりますが、耐震に対する市民の皆様の関心はまだまだ十分でないと考えております。ぜひ計画策定後におきましても、計画の周知や耐震化に対する啓発の方法について十分御検討いただくようお願いしたいと思います。 次に、子育て支援についてであります。 このような話を伺いました。浜通りにある2つの自治体にまたがる地域に大企業の工場が建設され、当初、一方の自治体へ関係者の移住が進んだことで地価が上昇し、片や他方の自治体では、少子化対策で先進的な施策を積極的に展開したことで、隣接する一方の地域より地価が安価だったという理由もありまして、子育て世代の移住が目立っているということを聞きました。少子・高齢化、人口減少が叫ばれる中で、人口がふえているようであります。まさに、自治体間の競争の時代に、経済的な側面の競争と同時に、いかに住みやすい地域をつくるか、子育てをしやすい地域をつくるかということも競争の1つの側面をなすと言えるのではないでしょうか。 戦略的な少子化対策、子育て支援を立案すべきとの視点で、以下伺います。 初めに、ひとり親家庭等医療費助成事業についてであります。 本市では、ひとり親家庭の親及び児童または父母のいない児童に対して、医療費の一部を助成するひとり親家庭等医療費助成事業を行っております。この事業は、ひとり親家庭等の方々にとって大変に有益な事業であります。平成16年度から平成18年度の3年間の助成状況を見ますと、登録者数が増加傾向にあることからもうかがえるところですが、ひとり親家庭等医療費助成事業の本年度の利用について、現在、どのような状況か伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) ひとり親家庭等医療費助成事業における登録者数は、本年2月末現在で9,054名となっております。 また、平成19年4月から本年2月までの助成状況につきましては、件数が3万9,061件で、金額は9,544万2,000円となっております。 ◆8番(小野茂君) 今、お示ししていただきました。大変利用されているということであります。 それでは、ひとり親家庭等医療費助成事業助成受給申請手続の簡素化についてであります。現在、この助成受給申請はどのように行われているのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 助成申請の手続につきましては、医療機関の窓口で医療費を支払った後、受診した医療機関ごとに証明を受けまして、一月分をまとめて市に申請し、助成を受ける償還払い方式となっております。 ◆8番(小野茂君) まず、ひとり親家庭が対象となっていることから、多くの方たちは、仕事が終わってからの助成申請手続となります。仕事・家庭・育児等、まさに煩多な生活の中で、受給申請手続となるために、利用者からは、もっと使い勝手がよくなるよう利便性を高める声が聞かれます。多様な生活者の申請手続の簡素化を求める声に対して、これまでどのような対応をされてきたのか伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 助成申請の手続につきましては、地区保健福祉センター及び支所・出張所・市民サービスセンターなどで受け付けを行っておりまして、対象者がどこでも申請が可能となるよう対応しているところでございます。 また、郵送による申請も受け付けておりまして、受給者の利便性を図っているところでございます。 ◆8番(小野茂君) いろいろと利便性が図られているところであります。例えば、乳幼児医療費の窓口無料化や高額療養費の現物給付化などで利便性が図られているところでありますから、この制度の窓口無料化についての御所見を伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) ひとり親家庭等医療費助成制度につきましては、1カ月につき1世帯当たり1,000円の自己負担がありますので、申請額から自己負担金の1,000円を控除し助成しております。窓口無料化方式では、市が医療機関からの請求に基づいて支払いすることになりますが、その場合の自己負担金の取り扱いについては、一たん受給者が支払った自己負担金を医療機関が控除して市に請求する方法等が考えられます。しかしながら、複数の医療機関で受診した場合や、1カ月に複数回受診した場合などにおきましては、それぞれの医療機関の窓口では、他の医療機関での自己負担金の支払い状況を正確に把握することができないために、本事業における窓口無料化の導入は困難であると考えております。 ◆8番(小野茂君) 例えば、出産育児一時金の制度では、保険者と医療機関の了解のもとに受領委任払いを行っております。このようにいろいろな工夫をして、その利便性が図れないものか、今後、御検討いただきたいと思います。要望とさせていただきます。 次に、5歳児健診についてであります。 12月定例会で塩田美枝子議員からも質問がありましたが、本市の乳幼児健康診査は、発達の節目である4カ月・10カ月・1歳6カ月・3歳の時期に行われ、発育・発達の育児支援が行われております。 乳幼児の健診は、昭和40年、母子保健法の規定により、市町村で行われることになりまして、対象年齢をゼロ歳・1歳・3歳と就学する直前の11月30日までに行うということになっております。本市の平成18年度の乳幼児健康診査の状況について伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 本市におきましては、乳幼児の発育・発達の節目であります4カ月・10カ月・1歳6カ月・3歳の時期に健康診査を実施しており、平成18年度の受診状況につきましては、4カ月児の受診数は3,017人、受診率は97.5%となっております。10カ月児の受診数は2,885人、受診率は94.5%、1歳6カ月児の受診数は2,872人、受診率は93.9%、さらに、3歳児の受診数は2,885人で、受診率は90.6%となっております。 ◆8番(小野茂君) いずれも90%を超える受診率ということで、非常に高いということがうかがえます。 次に、子育てサポートセンターで行っている乳幼児の発達に関する相談支援について、過去3年間の状況について伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 子育てサポートセンターにおいては、乳幼児健康診査等で言葉や身体の発達・発育面でおくれが疑われる乳幼児に対して乳幼児発達観察相談を実施し、医療機関や療育機関を紹介するほか、集団・個別指導の実施や家庭訪問、電話及び来所相談などの療育支援を行っているところであります。 過去3年間の相談状況につきましては、平成16年度が、延べ相談件数155件中、発達障がいが疑われる件数は延べ68件、平成17年度が、同じく136件中延べ63件、平成18年度が、同じく113件中延べ57件となっております。 ◆8番(小野茂君) それでは、就学時健康診断の結果、審議された過去3年間の状況について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 就学時健康診断の結果に基づきまして、いわき市心身障害児就学指導審議会におきまして審議された件数につきましては、平成16年度は56件で、その内訳は、特別支援学校へ20件、特別支援学級へ24件、通常学級へ12件、それぞれ就学が望ましいと判断されました。 次に、平成17年度につきましては49件で、内訳は、特別支援学校へ17件、特別支援学級へ21件、通常学級へ11件、それぞれ就学が望ましいと判断されました。 また、平成18年度は84件で、内訳は、特別支援学校へ27件、特別支援学級へ28件、通常学級へ29件、それぞれ就学が望ましいと判断されました。 なお、これらの審議結果を受けて、市教育委員会が保護者の意向も尊重しながら就学指導を行っており、実際の就学先の件数はそれぞれ異なっております。 ◆8番(小野茂君) 毎年各学校では適正就学委員会が行われ、それを受けて市の就学指導審議会が開かれ、児童・生徒の適正な就学を行うための就学指導が審議されております。そこで、過去3年間の就学指導審議会での審議状況について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 在籍しております児童・生徒について、同じくいわき市心身障害児就学審議会で審議された件数につきまして申し上げます。 平成16年度は207件で、その内訳は、特別支援学校へ43件、特別支援学級へ153件、通常学級へ11件、それぞれ就学が望ましいと判断されました。 次に、平成17年度は286件で、内訳は、特別支援学校へ54件、特別支援学級へ183件、通常学級へ49件、それぞれ就学が望ましいと判断されました。 また、平成18年度は269件で、内訳は、特別支援学校へ53件、特別支援学級へ191件、通常学級へ25件、ぞれぞれ就学が望ましいと判断されました。 なお、各学校においては、それらの審議結果を受けまして、保護者の意向も尊重しながら就学指導を行っておりますが、実際の就学先の件数はそれぞれ異なっております。 ◆8番(小野茂君) 今、ずっと子育てサポートセンターの相談件数、それから就学時の健康診断、そして就学してからの毎年行われております審議会の状況について伺いました。 就学前相談件数が平成16年度から平成18年度を見ても、大体50件から60件の間、就学時の健診による審議によりますと、平成16年度は56件、平成17年度が49件、平成18年度が84件とだんだんふえている方向ですけれども、就学してから審議される状況も、207件から286件、269件とふえている状況であります。そういう傾向が見てとれているところであります。 そこで、この発達障害者支援法では、発達障がい児の症状発現後の早期支援・早期発見のために必要な措置を講じることを地方公共団体の責務としております。また、厚生労働省で紹介します症例からも、5歳児健診による早期発見・早期療育が求められております。5歳児健診を行うということで、発現した子供本人にはスムーズな就学支援への移行につながり、親や家庭においては発達障がいへの理解、また、周囲の方たちにとっては正しい認識に及ぶものと考えます。そんなことを踏まえまして、この発達障害者支援法が制定されたその背景についてお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 平成17年4月から発達障害者支援法が施行されているところでありますけれども、発達障がい者の心理・機能の適正な発達と円滑な社会生活の促進のために、発達障がい者の症状の発現をできるだけ早期に発達支援を行うことが大変重要であるという理解のもとで、この支援法を制定し、国を初め、個々の地方公共団体に責任を求めると同時に、関係機関が連携して、総合的な、それぞれの障がい児のライフステージに応じた総合的な相談や支援の実施を目指すべきではないかということを目的として、この法律が制定されたものと理解しております。 ◆8番(小野茂君) それでは、そういう認識を踏まえて、本市の5歳児健診についての御所見を伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 本市におきましては、3歳児健康診査以降においても、子育てサポートセンターを中心に、発育や発達のおくれのおそれがある児、子供ですけれども、児に対しては、就学前まで経過観察を継続し、必要に応じ、家庭訪問などの療育支援を行っております。 また、保育園や幼稚園におきましても、心理士や保健師など各種専門職による巡回相談等を実施し、早期発見や早期支援に努めておりますことから御理解を賜りたいと存じます。 ◆8番(小野茂君) この発達障がいを判断するのはやはり医者であります。子供の発達においては、脳の前頭葉機能が発達するのは4歳から5歳ころであり、現在の健診だけでは、学習障がいや注意欠陥・多動性障がいなどの発達障がいを判断することが困難であることがわかってきたことによって、この発達障害者支援法が制定されたことから、先進地の東かがわ市では、この法律に基づき、発達障がいに対して正しい理解と子供たちの早期支援を目指して、5歳児健診を初めとする発達支援事業に取り組んでおります。こういう観点から、先進事例も参考にしながら、どうか今後、前向きな検討をしていただきたいと思います。 次に移りますが、高齢者の疾病予防対策についてであります。 数十年前まで日本は人生50年時代と言われておりましたが、現在では人生80年時代と言われるようになり、2005年に発表されました平均寿命は、男性で78.5歳、女性で85.4歳でした。この寿命には、この平均寿命のほかに健康寿命があります。健康寿命とは、平均寿命の中で健康に暮らせる期間が何年あるかを示すものと言われております。WHO、世界保健機関では、2000年に初めて指針として健康寿命を発表しました。それによりますと、日本では男性で71.5歳、女性で77.2歳でした。この2つを比べますと、平均寿命に比べて平均健康寿命が男女とも7年から8年も短くなっております。疾病構造も大きく変わる中ではありますが、いつまでも健康を保ち、生活の質の面においても満足のできる人生を送りたいとだれもが願うものであります。この平均寿命と健康寿命の差を埋めていくこと、短くすることが望まれているところであり、それにこたえられる施策を講じる努力が求められることと考えます。 そこで、高齢者の疾病予防対策について質問させていただきます。 まず、市で実施しております健康診査等について伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 本市におきましては、これまで、生活習慣病の予防やがん等の疾病の早期発見・早期治療を目的に、基本健康診査、胃がん・大腸がんなどのがん検診、骨粗しょう症検診、歯周疾患検診などを実施してまいりました。 平成20年度からの健康診査につきましては、平成18年6月成立の健康保健法等の一部を改正する法律において、平成20年4月に老人保健法が高齢者の医療の確保に関する法律に改正されることにより、40歳から74歳の方の基本健康診査は、生活習慣病予防の徹底に主眼を置いた特定健診・特定保健指導に変更となり、各医療保険者に実施が義務づけられたところであります。このため、本市におきましては、国民健康保険者として、40歳から74歳までの国保加入者を対象に、特定健診・特定保健指導を実施することとなります。 一方、これ以外の30歳から39歳の方や75歳以上の方の健康診査及びがん検診等につきましては、これまでどおり市の保健事業として実施することとしております。 ◆8番(小野茂君) それでは、特定健診・特定指導の目的について伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 特定健診・特定保健指導は、今般の医療制度改革における医療費適正化対策の一環といたしまして、先ほど保健福祉部長の答弁にもありましたが、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、平成20年度から各医療保健者にその実施が義務づけられたところでございます。 その目的は、食生活や運動不足などに起因する生活習慣病に着目した健診及び保健指導を実施し、糖尿病などの生活習慣病の有病者、さらには予備群を減少させるとともに、中・長期的な医療費の伸びの適正化を図ろうとするものでございます。 ◆8番(小野茂君) 国の施策の中で、この健康管理、そして医療費抑制ということまで踏み込んで施策として取り扱われることになるわけであります。 その状況を踏まえた上で、次の質問をさせていただきます。肺炎球菌ワクチンの助成についてであります。 かつて死亡の原因の第1位だった肺炎は、戦後、抗生物質の登場で死亡者数が急激に低下しておりましたが、1980年以降、再び増加傾向にあるようです。特に、高齢者の肺炎が急増しているのが特徴と言われております。本市の肺炎における高齢者の死亡状況について、直近の3年間の推移をお聞きいたします。 ◎保健福祉部長(木村清君) 福島県の保健統計の概況によりますと、本市の肺炎による死亡者数は、平成16年が272人、平成17年が320人、平成18年が318人となっております。 高齢者の割合につきましては、市町村別の統計がないため、福島県全体の数字で申し上げますと、平成16年が1,782人中1,712人で96.1%の割合でございます。平成17年が2,005人中1,924人で96.0%、さらに、平成18年が1,945人中1,874人で96.3%となっております。本市においても同程度と推測されるところでございます。 ◆8番(小野茂君) 今お示ししていただきました結果、やはり高齢者の方が多いということがわかったところであります。 本市の亡くなられる方の原因の統計を見ますと、第1位ががんで亡くなられる方が多いようでありますけれども、次に脳血管疾患、次に心疾患、次いで肺炎というような状況であります。 平成15年度から平成17年度の増減を見ましたら、第1位のがんで亡くなる方よりも肺炎で亡くなっている方が増加傾向にあるということが見てとれました。そんなところからも、全国でそういう肺炎対策が行われてきている背景がありますが、高齢者は肺炎を起こしやすくなっておりますし、高齢者で肺炎にかかった人の半数近くが肺炎球菌が原因菌と言われております。この肺炎球菌ワクチン接種の予防効果について伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 肺炎を起こす原因菌の1つであります肺炎球菌の一部を用いてつくられた肺炎球菌ワクチンにつきましては、厚生労働省の予防接種に関する検討会における平成17年3月の中間報告によりますと、肺炎球菌ワクチンの接種を推奨している海外では、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用接種した場合の有効性を示唆する研究が報告されており、国内でも研究結果が集積されつつあります。現在は、任意での接種が行われておりますが、国では、有効性・安全性、さらには費用対効果等の研究を進め、さらに研究結果を収集することとされておりますことから、今後は、国の動向を見きわめてまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) それでは、肺炎球菌ワクチンの助成についてであります。 肺炎球菌ワクチン接種への保険の適用というのは、脾臓摘出者の患者における肺炎球菌感染予防のみであります。それ以外は接種に関して自己負担になります。約8,000円かかるということでありますが、肺炎にかかる高齢者を救う予防接種の助成は、北海道の瀬棚町が全国で初めて平成13年9月から65歳以上の高齢者を対象に公費助成を始めました。平成3年当時、それまで国保1人当たりの医療費が道内1位であったのが、平成16年には182位と改善しており、医療費削減につながったという実績もあります。そこで、肺炎球菌ワクチンの助成についての御所見を伺います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 肺炎球菌ワクチンの接種につきましては、国の予防接種に関する検討会において検討が重ねられているところでありまして、今後、予防接種法への位置づけなどについて、国・県の動向を見きわめてまいりたいと考えてございます。 ◆8番(小野茂君) でも、このように高齢者の肺炎予防、あるいは医療費削減効果ということから、全国の他市町村でもこの肺炎球菌ワクチン接種への公費助成を導入するところが結構出ているようであります。平成19年11月現在では、64市町村が公費助成を行っていると伺っております。さらに、平成15年から助成を導入した宮城県白石市は、この北海道瀬棚町に続いて全国で2番目で、市としては初めてとなったと言われております。 この白石市の同僚議員からもらった資料によりますと、このスタートのきっかけというのは、白石市の医師会からの要請だったそうであります。市が3,000円を補助して5,000円の自己負担で接種できることになりまして、この制度によって、高齢者の26%の人が接種したということで、なおかつ公立病院の専門医の先生からは、高齢者が肺炎になって入院しますと約20万円程度かかるということから市町村の負担になると。この肺炎球菌ワクチンは予防効果が高いとともに、助成制度を導入したほうが医療費抑制効果もあるという説明をしております。 そんなところから、国の動向もあるかもしれませんけれども、今、その医療費の抑制ということを考えれば、さらに、高齢者の医療の福祉向上ということを考えれば、このワクチン助成の導入が非常に有効ではないかと考えるものであります。 市長、うなずいて聞いているようでありますが、この件につきまして、市長の御所見をいただければありがたいと思います。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 これはうなずいた答えじゃありませんが、ただいま部長の答弁のとおりでありますが、それに加えて、ごく近いところの白石市の事例などもあわせて検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(小野茂君) 前向きな御答弁、ありがとうございました。 以上で質問を終了します。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(鈴木利之君) ここで、午前11時5分まで休憩いたします。            午前10時52分 休憩           ------------            午前11時05分 開議 △古市三久君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番古市三久君。          〔23番古市三久君第二演壇に登壇〕 ◆23番(古市三久君) (拍手)創世会の古市三久ですが、ただいまから一般質問をいたします。 本日、一般質問終了後に道路特定財源の意見書の採択が予定されているようですから、2月12日の中日新聞に載りました作家高村薫さんの医療制度崩壊の元凶、最先端医療の普及に追いつかぬ国庫負担というのを紹介したいと思います。 近年、大都市でも搬送先が見つからずに救急患者が死亡する例が相次ぎ、ふだん医療に関心のない一物書きでも、さすがに一体この国の医療制度に何が起きているのかと考えるようになった。 ところで、私たちは医療制度の現状について、何をどこまで知っているだろうか。例えば、医師不足については、臨床研修制度の導入で研修医が自由に勤務先を選択できるようになった結果、これまで大学病院の医局が地方へ医師を派遣してきた仕組みが消えて、地方病院が医師不足になったことは知っている。しかし、それだけでここまで急激に医師が足りなくなるはずがない。今起きているのは、医師の絶対数の不足である。それでは、1980年代に医療費抑制政策の1つとして始まった医師養成数削減が今ごろきいてきたのだろうか。確かに人口当たりの医師数は先進国に比べて少ないと言われる。しかし、これまで日本の医療がそれで回ってきたことを考えると、単純な多い少ないではなく、むしろ近年の医療の急速の高度化に見合うだけの医師数が結果的に確保できていないということだろう。これは、端的に医療の進化に制度が追いついていないことを意味する。この医師不足は、直ちに病院の勤務医不足と現場の医師の苛酷な労働につながり、各地で一次・二次救急からの病院の撤退が起きていると言われる。また、地方では、通常の診療も医師不足で立ち行かず、産婦人科や小児科の閉鎖はもとより、病院そのものの廃業も進んでいるという。してみれば、これはもはや医師不足だけではない、病院経営の問題であり、医療に係る諸経費が国の決めた診療報酬で賄えない事態を意味している。要は、採算の問題であり、国民皆保険制度とそれを支える医療費の国庫負担の問題である。医師不足の問題も、結局はここへ行き着く。 思えば、国が医療費抑制を掲げ始めたのは、1980年代の行財政改革だった。以来、私たちは医療費の抑制という大枠の正しさを何となく信じてきたのだが、その結果がこれでは、どこかが間違っていたということになる。特に、小泉政権以降、社会保障費の上限が決められ、療養型病床の削減や診療報酬の切り下げ、そして国民の保険料値上げと窓口負担増が進んだ結果、私たち庶民は病院に行く回数を減らし、病院の経営は二重に苦しくなったと言われる。かくして赤字補てんのための自治体の負担はますますふえ、医師の補充もできず、皆そろって首が回らなくなっており、おちおち病気にもなれない生活が現実になっているのである。 一体元凶はどこにあったのか。国の財政削減の方針がそのまま医療政策に適用された安易さも、国民生活の基本である医療を市場原理に任せようとした無謀も、要は国民皆保険制度を守る強い意思が国にも私たち自身にも欠けていたということではないだろうか。時代の状況や医療の進歩に伴う経費の増大にあわせて、医療制度のあるべき姿は常に変わっていかざるを得ないのに、そのための合意を私たちは一度もつくってこなかったのではないか。 ほぼ半世紀前に完成した国民皆保険の恩恵ははかり知れないものがあったが、その担い手が財政基盤の異なる国・企業・市町村に分かれている複雑さも、今となっては制度の不合理を助長している。実際、夜中に倒れたが最後、覚悟しなければならないような医療の現状なのに、市町村の保険料の月々の負担は、ほとんどの場合、絶句するほど高い。その一方で、MRIなど当たり前という高度医療の普及が、結果的に高度な手術、高度な管理を当たり前にし、医療全般により多くの専門医や看護師を必要とするようになった。そして、私たちのだれもが、ひとしくその高度医療を求めるようになったことが、この医療費の増大を招いているという現実がある。 結局、私たちが国民皆保険制度の維持と最先端の高度医療の両方を求めるなら、国は診療報酬を上げ、先進国並みに国庫負担を大幅にふやさざるを得ないという結論になる。急患の搬送先がないような現状と世界最先端の医療の普及のアンバランスを異常だと思わない政治家たちが、今、国会で道路建設推進の放談にかまけている。 こういうことなんですが、私は最後のところが非常に印象に残っているわけです。日ごとに、きょうの朝日新聞にもありましたが、道路特定財源に対する請求の論拠は破綻していると思います。制度疲労の典型なのかなと思います。私は、この際抜本的な税制改革が求められると思います。一般財源化の道筋を明らかにすべき時期にあると思います。道路整備を上回るものは、医療や社会保障費などに充てるべきだと思います。市長は、道路財源の堅持は当然だとしても、税源移譲と交付税の見直しを過激に迫っていく必要もあるのではないかと思います。 小泉構造改革は、社会保障切り捨てを特徴としてきました。その弊害が全国各地で噴出しています。新自由主義的な改革のほころびが浮き彫りになっていると思います。 尾辻前厚生労働大臣さえ、代表質問で、来年の予算で2,200億円のマイナスシーリングをしないでくれということを福田総理大臣に迫っています。明快な答弁はございませんでしたが、そこまで言わなければならない実態にあるということが今の日本の状況だと思います。 そして、地方は疲弊して、働く人も疲弊しました。毎日新聞のコラム、風知草は、志位和夫委員長の質問について、今国会屈指の追及と書いています。内容は、派遣労働と雇用格差についての追及です。 バブル崩壊以降、労働者保護法制の緩和が進み、コスト削減優先で、非正規雇用がふえました。規制緩和と公共分野の民営化が進められ、格差が拡大しました。若い世代に非正規雇用が増大し、社会保障も切り下げられ、その結果、働いても食べていけない層、ワーキングプアが増大しました。今や年収が200万円以下の労働者が1,000万人を超えています。家族も持てず、子供も育てられないといった社会状況が生まれています。人が人らしく生きられる社会の仕組みづくりが急務だと思います。そのために何をなすべきなのか、今、政治に求められていると思います。 質問の第1は、臨時職員と業務委託についてです。 自治労参加の職場の自治体の非正規職員は、2006年度に40万人、4人に1人を占めていると言われています。平均年収は166万円、国家公務員は3人に1人は非正規雇用などとなっています。3月2日の朝日新聞には、雑貨のロフト、パート全員正社員にするとありました。今、非正規社員の社員化の動きが広まっています。 そこで、いわき市の日々雇用職員の待遇についてお尋ねしたいと思います。これまでの日々雇用職員の賃金改定はどうなっていたのでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 日々雇用職員の賃金日額の改定に当たりましては、人事院勧告及び福島県人事委員会勧告等に基づく職員の給与改定に準じて適切に対応してきたところでございます。 ◆23番(古市三久君) ことし4月、賃金を改定する予定になっているようですが、改定の根拠はどのようなものでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 来る4月1日から適用する賃金日額につきましては、平成18年度にいわゆる地域給与の考えを取り入れた職員に係る給与構造改革が実施されたことを踏まえ、県内各市において雇用されております同職種の臨時職員の賃金額を参考にしながら改定するものでございます。 ◆23番(古市三久君) これまでの非正規保育士のボーナスを含めて、きのう、児童家庭課の方と試算しました。これは、1年間で150万5,680円で、4月から賃金アップをして、ボーナスなしで計算しますと、150万7,000円、つまり1,320円のアップなんです。 私は、先日、保育所を何カ所か訪問しました。そこで言われたのは、いろいろ労働条件の問題がありましたけれども、夏や冬の時期、職場でのボーナスの話はタブーだということを言っていました。結局、今度の改定でボーナスがなくなるわけですから、そうした状況がまた生まれてくるのではないかと思います。 市の財政が厳しいということで、このしわ寄せは非正規社員や委託先の社員に行っていると思います。 財政が厳しいということを言われますと、これ、みんな思考停止になるわけです。しかしながら、それでいいのかということを、やはり我々は、これからきちっと問うていかなければならない問題だと思います。 小泉構造改革で、非正規職員・委託先の社員・非正規保育士・臨時採用教員・常勤講師、末端の職場でサービスを支えている方々に大きなしわ寄せが行っております。 そこで、例えば保育士さんというか、何年も働いている方に、定期昇給ということがあったのかどうかお尋ねしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 日々雇用職員に対する定期昇給は、これまでございません。それは、日々雇用職員につきましては、市の賃金支弁職員雇用等管理規程に基づきまして、長期休暇等の雇用事由に応じて、随時、不定期に雇用されるものでございます。その雇用期間につきましては、一会計年度内の3カ月を任用単位といたしまして、さらに雇用の必要がある場合には、連続11カ月を雇用の上限としてございます。定期昇給というのは、基本的に1年間の勤務成績を参考に対処するものでございますので、日々雇用職員は11カ月雇用ということでございますので、定期昇給を考える余地はないと考えてございます。 ◆23番(古市三久君) それは役所の論理で、働いている人にとって、これは大変厳しい論理だと思うんですよ。 賃金は、勤続年数を考慮して支払うということが非常に大事だと思うんですが、特に保育士さんは何年も継続されていますよね。この辺についてはいかがでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 先ほども申しましたけれども、日々雇用職員につきましては、臨時・不定期という雇用でございまして、その賃金は、職種とか業務内容、勤務条件等に応じて決定されるものでございます。 それで、勤続年数に応じて賃金を決定するというのは、雇用が継続されるという場合が想定されますので、先ほど言いましたように、この日々雇用職員は11カ月で雇用が一たん切れるということで、雇用の継続がございません。長い年月、実態的に11カ月雇用されて、それで1カ月休みまして、さらにまた11カ月雇用という事例はありますけれども、中断がございますので、勤続年数に応じて給与を決定するという考えはとってございません。 ◆23番(古市三久君) そういうことだと思うんですが、昨日、ガソリンスタンドの脇にあるドトールコーヒーでコーヒーを飲みました。そこの従業員の方に賃金について聞いてみたんですが、その方は時給900円なんです。深夜は1,100幾らと。危険物の免許があると30円高いというお話をしていました。 4月から上がる賃金を見ますと、保育士は6,850円ですよね。これを8で割ると、大体856円です。つまり、ドトールコーヒーのその女性の方と直ちに単純に比較をするのがいいかどうかわかりませんけれども、しかし、それぐらい安いんです。保育士というのは専門職ですよね。そういう実態にあるということについて、十分認識をしていただきたいと思うんです。だから、これはやはり速やかに見直していかなければならないと思うんです。 中核市で保育士の賃金をずっと調べてみたら、いわき市は30何市あるうちの下から5番目ぐらいでした。それは都市部もありますから一概に比較はできないと思いますけれども、そのぐらい安いということをまずお話しておきたいと思うんです。そこで、保育士の雇いどめ、最高7年ということでやっているわけですけれども、これはなかなか保育士の方を見つけるのが大変だということがありますので、この際、やはりこの最高7年というのはやめていくべきではないかと思いますけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 臨時保育士につきましては、資格が必要な専門職であり、人材確保の観点から、平成4年1月から雇用期間を6年間に、さらに、平成14年4月から7年間に延長しているところでございます。 しかし、近年、3歳未満児や障がい児の入所の増加などに伴い、必要保育士数が増加してきていることから、今後とも臨時保育士の雇用期間のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 私は保育士を嘱託としてはどうかと思うんですけれども、特別な、特殊な知識・経験・技能を有する者の雇用を特に必要とする場合は、嘱託にできるわけですよね。 日本共産党の石井郁子衆議院議員が、予算委員会の分科会で、大阪府の自治体の保育士についての質問をしました。自治体の半数で保育士の50%を超えているのが非正規雇用だと。保育士は、専門性・継続性が問われているので、非正規雇用ではなくて、継続雇用にしてはどうかという質問をしました。身分をきちっとすべきだと。それに対して、舛添厚生労働大臣は、保育士の方々の処遇は常用雇用にすべきと明確に答弁しているわけです。これは、大臣も明確に答弁しているわけですから、そういう意味では、きちっとした身分で待遇して、将来を担う子供たちの保育ということですから、非常に大事な仕事をしているわけですよ。その方々が、非常に安い賃金で働かされて意欲がわかないということであっては、私は非常に困ると思うんですよ。 そういう意味では、早急にこの辺の身分について変えていくといいますか、嘱託という扱いにして雇用する方向の検討をしていただきたいと思うんですがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(木村清君) 臨時保育士につきましては、職員の出産休暇、育児休業及び病気休暇等の取得や入所児童数の変動、さらには、市民の多様な保育需要に的確にこたえる特別保育や障がい児保育の実施など、国の配置基準を上回って保育士を配置する場合などに対応するために、臨時的に任用している職員であります。 臨時保育士を任用することで、厳しい行財政環境の中、柔軟で機動的な人材の確保と硬直的な職員採用による人件費の増嵩の抑制にも努めてきたところでありますことから、臨時保育士のあり方について、今後とも関係部局と協議してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 教育部長が二、三日前の答弁でスピードが大事だということをおっしゃっていましたが、関係部局はこれを速やかにスピードをつけて、ぜひ検討していただきたい。 大臣が常用雇用にすべきだということを明確に答弁しているわけですから。これは議事録読んでいただければわかるんですけれども、これは重い答弁ですよ。したがって、この辺については、早急に検討していただきたいと思うんです。 それから、常勤・非常勤職員の給与については去年の人勧で勧告されました。非常勤の職員の給与の実態の把握に努めるとともに、それぞれの実態に合った適切な給与が支給されるよう、必要な方策について検討していくこととするということで、総務部長、人事院の総裁がこういうことを言っているわけです。 したがって、いわき市の日々雇用職員の賃金が高いのか安いのか、それはいろいろあると思うんですけれども、今見てみますと、先ほど言ったように、ドトールコーヒーの方の賃金と比較しても非常に安いので、これは4月1日から実施される賃金についても、これを見直して、ちゃんと調査して、それなりの賃金に改定するようにしていただきたいと思うんですが決意はいかがでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 4月1日実施予定の賃金日額の改定でございますけれども、先ほど言いましたように、地域給与は、我々でいえば、福島県の臨時職員の賃金の実態だと思いますけれども、その実態を把握いたしまして、それを参考に、新たな日額単価をはじき出したものでございます。 県内他市の最高額をとっているわけではございません。それから、最低額をとっているわけでもございませんで、その中のほぼ中間の額を設定したということでございまして、今回の4月1日の改定が、もうこれで終わりというわけではございませんので、また次の機会に、他市の状況等を勘案しながら、また改定する予定ではございます。 ◆23番(古市三久君) 一回決めたものを直せと言ってもなかなか大変だと思いますので、早急に見直しをしていただきたいということをまず要望しておきたいと思います。 それから、保育士の問題については、非常に専門性の高い職種なので、身分といいますか、採用のあり方も含めて早急に検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、次に業務委託、指定管理制度についてですが、財政難から事業を民間に委託する自治体がふえている中で、委託先で働く人に雇用不安や賃金低下が起きているということが言われています。 事業を落札できなかった会社の社員が、一気に失業となるわけです。家族は露頭に迷うことになるわけです。だれの責任なのか。入札でとれなかった会社が悪いということで、市は責任を放棄するのかどうかわかりませんけれども、財政部長は、競争入札で落札価格が下がれば、市の財政負担が軽減されていいという答弁もしていましたね。それでは非常に問題だと思うんですよ。雇用不安と、それからそうした賃金の問題を招かない制度設計が必要だと思うんです。 そこで、委託先の会社で雇用不安や賃金低下が起きているかどうかの実態について把握しているのかどうかお尋ねしたいと思います。多分、やってないと思うんですが。 ◎財政部長(陸川克己君) 役務的業務委託につきましては、主に、受託者に業務の履行を求めるものでございますことから、特段そういった面での把握しておりません。 ◆23番(古市三久君) 事業を落札できなかった場合、会社の人が失業しますね。それについて、市はどのような御見解をお持ちですか。 ◎財政部長(陸川克己君) 労働者と使用者の雇用関係につきましては、労働関係法令等に基づきまして、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものと認識しております。 ◆23番(古市三久君) 大変血も涙もない答弁ですけれども、法律的にはそうなると思うんです。しかし、要するに、市と委託先ということでのそうした関係の中で、そういう問題が発生した場合に、やはり市は雇用という問題について考えていかなければならないと思うんですよ。したがって、そういうことを含めた制度の設計をしていく必要があると思うんです。 そこで、そういう落札できなかったことが想定された場合に、継続雇用を義務づけるようなものを求めていくといいますか、義務づける何か要綱といいますか、そういうものを考えるお考えはありますか。 ◎財政部長(陸川克己君) 先ほども答弁申し上げましたとおり、現行の労働法制については、労働関係法令等に基づきまして、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものということでございますので、そういった観点から、市として継続した雇用を義務づけるような形というのは、現在のところ考えておりません。 ◆23番(古市三久君) それでは、指定管理者制度の選定基準に継続雇用を条件にすべきではないかと思いますけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 指定管理者制度におきましても、同様に継続雇用を条件とする考えはございませんけれども、特に指定管理者制度におきましては、従前の指定管理者と新たな申請者との間での競争の公平性が損なわれるというおそれがあるほか、効率的な管理に関する提案や、市民サービスの向上につながるような新たな事業に関する創意工夫など、指定管理者制度に期待される効果が十分得られないおそれがあるものと考えております。 そういうことから、先ほど申し上げましたように、条件を付す考えはございません。 ◆23番(古市三久君) もともとこの指定管理の制度というのは、地方自治体の財政難といいますか、そういうことから出発したもので、役所は、お金が大変だからみんな切り離して、自分だけ楽になればいいんだということだと思うんですが、そういう問題ではないと思うんですよ。 つまり、そこで働いている人がいるわけですよ。そして、税金を払っているわけですよ。そういうことに対して、そういうことができなくなるような状況を市がつくり出すことがあってはならないと思うんです。ですから、その辺について、明快なことが仮にできないとしても、そういうことをきちっと考えた指定といいますか、管理者制度の運用といいますか、そういうことをぜひやっていただきたいと思います。 それから、総合評価方式の導入については、どのようにお考えでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) 総合評価方式につきましては、基本的には、入札金額と企業の提案を総合的に評価して落札者を決定する契約方式ということで、昨今の契約制度の中で、今後検討すべき契約方式の1つとは考えております。 ただ、この方式につきましては、落札決定の判断に価格以外の要素が加わるということで、発注者側の恣意性が高まるという面もありますことから、公正な評価・審査の基準づくりなどが重要な課題と考えております。 市といたしましては、先進自治体の例や国・県の動向なども勘案しながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 賃金の積算基準の明確化ということが求められているように思うんですよ。非常に賃金が安くなっているということがいろいろ言われております。その場合、自治体職員の職務分類を踏まえた人事院勧告をモデルにして設定する自治体もあります。そういうことについてのお考えはいかがでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) 役務的業務委託につきましては、全庁的な委託料の見直しの中で、平成20年度に労務単価を含む設計単価の統一的な取り扱いを図るための検討を行いたいと考えておりますので、そのように御了解いただければと思います。 ◆23番(古市三久君) 今度の入札改革で最低制限価格設定方式を変更しましたよね。これは、この役務の提供等も含めて、最低制限価格の設定を変えるということなんですか。 ◎財政部長(陸川克己君) 最低制限価格の問題ということではございませんで、こちらにつきましては、委託料の現在の課題・問題点の実態把握を、昨年、全庁的な委託料の見直しを図った中で、若干統一的な取り扱いがなされていない。その中には、各種単価につきましては、市場調査等をもとにした単価を使うという考え方はありますが、その単価自体が、役務・契約によってはばらばらだったという実態等もございますので、その辺、市として、こういう場合にはこのような単価を使うべきだという観点からの統一性を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆23番(古市三久君) そういうことを聞いているんではないんですけれども。結局、部長が言っているのは、要するにならすということで、高いところを安くするということにするための調査だったんじゃないですか。私はそう思いますよ。 だから、そういうことじゃなくて、最低制限価格を上げるとか、あるいはもっと安い賃金だったら高くしていくとか、そういうことをぜひ考えていただきたい。時間がありませんので、そういうことを要望して、次の質問に行きたいと思います。 3番目は公契約条例の制定ですが、先ほども言いましたように、非常に厳しい状況がありまして、そうした働く人たちの労働条件等を守るという意味で、公契約条例の制定ということをぜひしていただきたいと思うんですが、公契約法は、日本の場合、まだ制定されておりません。外国の場合は58カ国で制定されておるわけですけれども、そういう意味ではなかなか難しいということだと思いますので、明快な答弁は出てこないと思うんですが、条例制定の考えについてはどのようにお考えでしょうか。 ◎財政部長(陸川克己君) 公契約条例につきましては、公契約における労働条項に関する条約、いわゆるILO第94号条約の考え方に基づくものであると認識しております。 この条約では、公の機関が発注する工事等の契約に関しまして、当該工事等に従事する労働者の賃金等の労働条件を確保する条項を盛り込むこととしておりますが、議員御指摘のとおり、国におきましては、同条約を批准していないという状況にございますので、現時点においては、条例制定は困難ではないかと考えております。 ◆23番(古市三久君) 考えていましたが、多分そういう答弁になると思うんです。国分寺市は、物・人・サービス調達の基本指針というのを決めました。労働関連法の遵守、適正な労働条件と賃金水準の確保という内容になっておりますので、公契約条例を定める前のステップとして、こうしたガイドラインも決めると。ガイドラインを決めていくといいますか、そういうことも必要だと思いますので、その辺について、ぜひ御検討いただきたいと思います。 それから、次は大きな問題、農業問題についてですが、週刊東洋経済2月23日号で食の戦争という特集を組んでいます。その中で、世界は穀物価格の暴騰、小麦は3.3倍、トウモロコシは2.2倍、大豆は2.5倍。ロシア・ウクライナ・ベトナム・アルゼンチン・中国など、相次ぐ穀物大生産国は輸出規制。食料自給率、オーストラリアは237%、カナダは145%、フランスは122%、ずっと来て日本は39%。日本は、小売価格の値上げ、食パンは24年ぶり、即席めんは17年ぶり、マヨネーズは17年ぶり、みそは18年ぶり。畜産向け飼料はアメリカ頼みで、トウモロコシの96%が依存。米農家の時給は256円、耕作放棄地38万ヘクタール、埼玉県の面積ということが載っていました。 食料を海外に依存するということができたのは、市場で幾らでも調達できる商品ということが前提だったと。大生産国で輸出規制が始まったという中では、戦略物質になりつつあるということが書かれてありました。 中国の経済成長と原油高が穀物の需要を押し上げたと。世界で生産される穀物のうち、米・小麦・トウモロコシ・大豆の4品目で約半分、米は生産国内で大半消費、生産量のうち輸出に回るのが7%というような内容になっているそうです。 我が国の米づくりは崩壊寸前。世界的な穀物高騰の中で米だけが暴落。再生産の危機。食料過剰時代は終えんと。 そこで、品目横断的経営安定対策についてですが、平成19年度の実施状況は惨たんたる状況だったと思うんです。作付面積4,691ヘクタール、品目横断的経済安定対策の実施面積122ヘクタール、29人と2団体。つまり、これはだれからも望まれていない政策だったと思うんです。 それで、改正されましたけれども、この品目横断的経営安定対策によって、本市の食料自給率がどの程度向上するということだったのか、認識についてお尋ねしたいと思います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 品目横断的経営安定対策の対象となっている大豆等の作付面積や生産量を増加させ、輸入依存の軽減化を図ることで、食料自給率の向上に寄与するものと考えております。 ◆23番(古市三久君) 残念ながら、そういうことにはならないわけです。 そこで、4ヘクタールの個別農家の所得は幾らでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 農家の所得は、農家個々の経営状況等により異なるものでありますが、一例として、米と大豆を作付する4ヘクタール規模の農家経営を想定し試算した場合、その所得は115万円程度になると見込んでおります。 ◆23番(古市三久君) この所得で生活ができるのかといえば、私はなかなか難しいと思うんですよ。 ただ、減価償却費が162万円あるわけですよ。それを足すと、何とか二百七、八十万円になるということで、かすかすの生活ができるのかと思うんですが、しかしながら、それを使えば、機械を買うときに借金しなければならないと、こうなるわけです。ですから、なかなか大変な状況で、この品目横断的経営安定対策というのは、名前だけで、実効性は全くなかったということが明らかになったと思うんです。 秋田県の大潟村は大規模農村の村なんですが、米づくりが行き詰まっていると。これは生産者米価の下落です。借金がかさんで米づくりができないと。政府は、担い手の育成と大規模農業、集落営農組織で米づくりをやろうとしましたが、これは行き詰まりました。国は、地域水田農業活性化緊急対策として500億円を計上しました。そこで、転作踏み切り料としての3万円・5万円も実効性がないんではないかということを言われております。つまり、3万円を5年で割ると6,000円です。 そこで、次の質問をいたしますけれども、品目横断的経営安定化対策を見直しましたけれども、見直した理由はどのようなものでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 品目横断的経営安定対策については、生産現場から届いたさまざまな御意見等を踏まえ、対策に関する誤解の解消に努めるとともに、地域の実態に応じた見直しがなされたところであります。 ◆23番(古市三久君) 品目横断的というのは、全国各地から反発があって、それによって参議院選挙も負けたということが言われておるわけです。最大の理由は、担い手を絞り込んだこと、対象を選別したわけです。対象農家といいますか、それが見直しされたわけで、その幾つかは今回改善をされたということだと思いますけれども、しかしながら、それによって飛躍的に前進するということは全く不透明だと思います。 そこで、いわき市の米60キログラムの生産費というのは幾らでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) いわき市における米の生産費については、公の調査結果がございませんが、東北農政局福島農政事務所が公表した福島県の平成18年産米の生産費は、60キログラム当たり1万5,132円となっております。 ◆23番(古市三久君) つまり、いわき市の生産者米価というのは、ことしは1万円か1万1,000円だったと思うんですけれども、そういう意味で四、五千円の差があるということです。これでは農家はやっていけないということだと思います。 したがって、この品目横断的経営安定対策は、まさに農家にとってはプラスにならない政策だということが明らかになったと思います。 時間がありませんから、次の質問に移りますけれども、やはり食料自給率を向上させることが、今、日本の最大の目標になっていると思うんですけれども、本市の農業予算を見ますと、平成6年度の64億円をピークに、平成18年度は29億円、がっと下がっています。ですから、この辺を見直していく必要があるかと思うんですけれども、その辺の御見解はいかがでしょうか。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 本市の農業につきましては、食料の安定供給や環境の保全など、極めて重要な役割を担っており、基幹産業としても重要であると認識しております。このことから、今後につきましても、農業者や集落の意向を十分に踏まえ、予算の重点投資と効率化を図りながら、事業効果が最大限に発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 財政部長の答弁はいりませんけれども、ぜひ、農業予算をいっぱいつけていただきたいことを要望しておきたいと思います。 それから、米飯給食の増についてですが、小麦の値上がりによって、非常に給食費に対する影響が出ていると思うんですが、すべて米飯給食にすべきではないかと思いますが、その辺の御見解はいかがでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 米飯給食につきましては、日本型食生活を見直し、米飯を中心とした健全な食生活の実現という観点から、文部科学省の指導により、食育推進基本計画に基づき、一層の普及・定着を図る取り組みが進められております。 本市におきましては、平成17年度から週2回から3回にふやしたところでありますが、さらに米飯給食の回数をふやすことについては、給食費や他主食のバランス等を考慮するとともに、保護者の皆様、あるいは児童・生徒の意向なども踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 食育ということからすれば、これは米にすべきだと思うんですよ。これは、戦後のアメリカの過剰農産物の消費のために、小麦、そしてミルクということで始まったのが給食です。大統領の予備選挙は日本では予定されておりませんよね。ですから独立国なんです。したがって、日本の米を食べるような給食にぜひしていただきたいということを教育長に強く要望して、次の質問に移りたいと思います。 3番目は、学校図書館についてです。 昨年、袖ヶ浦市の読書教育、学校図書館づくりについて見てまいりました。市長のリーダーシップで、この袖ヶ浦市はすばらしい読書環境になっておりまして、図書館に読書指導員を配置しているわけです。読み聞かせやブックトーク、本好きの子供を育てる人のいる温かい図書館をつくるということでやっておりまして、非常に成果が上がっております。 過日、中央台東小学校の学校図書館実践発表会に出席しました。配布された冊子には、教育の今日的な課題は、さらなる学校図書館の充実のために、司書教諭の学校図書館担当時間の確保や専任化についても大きな課題となっており、まだまだ実効性のある人的整備がなされているとは言いがたいところであると。この言い回しは、教育委員会に非常に気を使っている言い回しなんです。端的に言うと、人が配置されないと機能しないということを言っているわけです。しかしながら、学校は教育委員会に気を使って、そういう表現をしているわけですけれども、この表現は、衣の下にドスをのんでいると言ってもいいのではないかと思います。続いて、どのような学校図書館にしたらいいのか。今こそ具体的な実践を深めていかなければならない時期とあるわけです。 そこで、学校図書館支援センターについてお聞きをしたいと思いますが、支援スタッフは各学校でどのような仕事をしているのでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 支援スタッフの主な職務内容は、1つには、学校図書館経営や運営面での指導助言、2つには、学校図書館を活用した授業への支援、3つには、学校図書館に関する教育情報の提供であります。 具体的には、図書館の環境整備や図書館を活用した事業のあり方、調べ学習の準備や読書活動の資料提供、そして学校図書館における学び方の資料作成などであります。 また、各校の実態に応じて、子供たちの情報活用能力の育成や多様な学習活動ができる学校図書館運営のための支援を行い、授業改革の根幹をなす学校図書館づくりに取り組んでいるところでございます。 ◆23番(古市三久君) つまり、研究校に人が配置されてよくなったということですよね。逆に人がいなければ、現在の状況にならなかったということだと思うんです。 それで、学校図書館に関する司書教諭、教職員の意識改革を図るということがこの支援センターのところに書いてありますけれども、教育委員会の意識も変える必要があるんではないかと思います。そのことは強く御意見として申し上げておきたいと思います。 次に、人のいる学校図書館づくりについてですが、熊本市、学校図書館司書業務補助員、全117校に配置。事業費9,000万円。1日5時間勤務の臨時職員。学校図書館は生まれかわったということが赤旗に載っていました。いわき市も大体117校ぐらいあると思うんですが、こういう取り組みをしなければならないと思うんです。 赤旗って笑いますけれども、これは事実を言っているわけであって、何ら問題ないんですよ。日本共産党のことはなかなか言えないと思うんですけれども、私は違いますから、言えるんですけれども、そういう事実がありました。熊本市のこれはすばらしいことだと思うんです。 ところで、司書教諭は、週何時間図書館の仕事をしているんですか。 ◎教育部長(山田満君) 司書教諭の図書館担当時間につきましては、各学校において授業時間数とか、あるいは校務分掌などから考慮して、それぞれ実態に応じて対応しているところでございますけれども、おおむねでございますが、小学校では週二、三時間、中学校では週三、四時間でございます。 ◆23番(古市三久君) 司書教諭の担当時間をふやすようなことが何かに書いてありますよね。教育委員会は何時間にしたいという考えなんですか。 ◎教育部長(山田満君) 特に担当時間は何時間にしたいということは申し述べておりませんが、できるだけ多くの時間、子供たちと接するように心がけていきたいと考えております。 ◆23番(古市三久君) 先日の教育長の答弁で、校務分掌を変えてどうの、云々と言っていましたよね。ですから、司書教諭の担当時間をふやさなければならないという認識はあると思うんですよね。以前からずっとそういうことを言っていますけれども、なかなか具体的に変わったということは聞いておりませんので、教育長、きちっとその辺をやるべきだと思うんですよ。 ただ今の中で、私は実態的にできないと思うんです。だから、そういうことは何か言わないほうがいいと思うんです。残念ながら今の学校の実態を見れば、私はできないと思うんです。だから、そういう学校の実態の中で、授業改革の扉を開く学校図書館づくりは司書教諭だけの配置で可能でしょうか。端的に答弁をお願いします。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいまお話がございましたように、学校も授業を担当しながら図書館の仕事もしなければならないということもありまして、なかなか時間的に余裕のある仕事ではないと思います。 しかし、学校の教員全体でこの仕事をしておりますので、そこは互いに助け合いながら、あるいはみんなで業務執行のために協力しながら、児童・生徒の希望・要望にこたえられるようにしておるはずであります。何時間というように限定することはなかなか難しい状況にはありますけれども、極力努力を重ねながら、図書館の仕事にも携われるように配慮してまいりたいと思っております。 ◆23番(古市三久君) そういう前向きにしたいということはわかりますけれども、なかなか実態的にはできないと思います。 いろいろな学校の状況を見ますと、つまり図書館に人を置かないとよくならないということが明らかなんですよ。したがって、支援センター事業も、そういうことを含めてやっているわけです。どういうふうに人を配置して、どういうふうにしたらよくなるのかと。それを調査・研究するわけです。何も人を配置する必要がなかったらやる必要はないですよ。司書教諭だけやっていればいいんですから。しかし、この事業をやったということは、人を配置するためにどうしたらいいのか、人を効果的に配置するにはどのようなことをすべきなのかというところを調査していると思うんですよ。だから、将来的には、学校図書館に人を配置しなければならないと思うんです。要するに今、助走期間なのか、何期間なのかよくわかりませんけれども、そういうことについてやっているというふうに私は思っているんです。 したがって、2年たって支援センター事業が終了しますね。その後、図書館に人を置くのか置かないのかが問われてくると思うんです。その辺について、どう考えているのか、明快な答弁いただきたいんです。お金がないでは、これ、思考停止になるんです、先ほど言ったように。しかし、人づくり基金等、いろいろな基金があるわけです。基金の条例で決まっているから使えないということだと思うんですけれども、市長が条例を変えればできるんです。人づくりですから、つまり将来の子供たちをよくするために、そういうところにも金を使っていいということになれば、できるわけですよ。ですから、そういうことも含めて、図書館に人を配置するような状況について、前向きに調査・研究をしていくべきだと思いますので、その辺の御見解、教育長の決意はいかがですか。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま御指摘がありましたように、現在進めております学校図書館の研究も含めて、今、ボランティアがその研究に当たっておるところでございますが、やはり、先ほども申し上げましたけれども、司書教諭一人だけではなかなかできません。全体の先生方が協力して、いろいろな研究に当たったのが、今、初年度を迎えておるわけであります。次年度どうするかというお話もございますが、それは今やっている研究をさらに積み重ねた上で、次年度もやはり、今、限られた教員の中で研究を重ねていかなければならない。 もともとこういう仕事が始まりましたのは、日本の学力が下がってきているという懸念があって、それを打開するために、いわば理数科もそうでありますし、ほかの授業もそうであります。いろいろな学力を向上させなければならない。そのためには、授業改革がまず大事だと。そのやり方を研究して、来年度は2年目になるというわけでございますから、5校の研究成果をさらに伸ばして、ふやしていって、市全体の学校でそういった研究を重ね、授業改革ができる、そして学力向上につながる学校図書館の利用を進めていくのが私どもの考え方でございます。 ◆23番(古市三久君) 教育長の御高説はわかりましたが、それはこれまでの話から全然一歩も出ていないわけで、そういうことではなかなかうまくいかないということを私は強く申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 医療問題についてですが、里帰り出産について幾つかお尋ねしたいと思います。 時間がありませんから、前書きは省いて、里帰り出産を本市で受け入れる体制はどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 里帰り出産を希望している方や里帰り出産された方の数につきましては、医療機関や出産者からの届け出義務がないため、その把握は困難な状況にありますが、里帰り出産に当たって、産院が見つからないと市医療安全相談センターに寄せられた過去3カ年の状況を見てみますと、平成17年は2件、平成18年はゼロ件、平成19年は1件と相談が少ない状況にありますことから、おおむね市内においては受け入れがなされているのではないかと推察しております。 ◆23番(古市三久君) 里帰り出産の相談が相談センターに来ないのは、これだということなので、大丈夫だということだと思うんですが、私は2件相談されました。何とかうまくいったということを言われましたが、しかしながら、非常にあっちへ行ったりこっちへ行ったりしなければならなくて大変だということを聞きましたので、そういうことについて、ぜひ問題がないような対応をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから、最後の質問は、新型インフルエンザについてですが、これは国の方針がまだ確定していない。したがって、地方自治体としてはよくわからないというのが実態だと思うんです。しかしながら、いわき市といいますか、地方自治体の危機対応はきちっとしておかなくてはならないと思うんです。 そこで、幾つか質問したいと思うんですが、昨年11月にWHOは今後数カ月以内にパンデミック発生のおそれがあると警告を発しました。鳥から人へは来ないと言われておりましたけれども、鳥から人にうつりました。人から人へはうつらないと言われましたけれども、インドネシアで1件、昨年の中国で1件となっています。 感染爆発が起これば、我が国でも2,000万人以上の感染者が出現して、ほとんどの人は免疫がないわけですから、若者を中心に100万人レベルの死者が出る可能性があると指摘されているわけです。 新型インフルエンザは従来のインフルエンザとは異なって、咽頭・上気道に限定したウイルスの増殖ではなくて、血行性の全身臓器へのウイルス拡散が特徴だと。スペイン風邪というのは弱毒性だったけれども、この新型インフルエンザは非常に毒性が強いということを言われています。 我が国は、この狭い国土で1億2,000万人、人口密度はアメリカの10倍、カナダの100倍と。したがって、感染爆発がアメリカと比較にならないと。インドネシア・ベトナム・中国などと地理的に近いと。そういうことで、我々日本としては、防疫体制といいますか、予防体制といいますか、そういうことをしっかりとしていかなければならないということが言われておりますが、これは、予算的にも危機管理上も非常に未整備なんですね。 既にアメリカやイギリスでは、核戦争レベルの対策として、数年前より全国民へのワクチン提供を前提に、膨大な予算を投入しておるわけです。アメリカでは、パンデミックワクチンの製造、つまり、大流行の前のワクチンですが、卵でなくて組織培養の研究をしていると。アメリカの予算は1,000億円、日本は2,000万円、これが実態なんです。 国民全体のプレパンデミックワクチンの製造に係る費用は約1,500億円と言われています。これは、今問題になっているイージス艦の1隻分だそうです。 そこで、我が国のワクチン行政はどうなっているかといいますと、ワクチン業界の年間売り上げは600億円、製薬業全体の1%のシェア。ワクチン製造から大企業が撤退して、インフルエンザに対しては、今では合計4社、事業全体で年間2,500万人の通常型インフルエンザのワクチンを製造しているにすぎないと。パンデミックの際に、1年程度で急にパンデミックワクチンをつくるということは難しいと。ワクチン製造に必要な卵、有精卵の買いつけもなかなかできないというのが実態だそうです。 プレパンデミックワクチンの備蓄量は1,000万人分があるそうですけれども、これは、医療従事者・社会機能維持者、市長らは打たれるわけですよ。ところが、我々は打たれないということなんです。 国のタミフル備蓄量も2,800万人で、これは新型インフルエンザには余りきかないんじゃないかということも言われておりますが、本市のタミフル備蓄というのはどうなっているのかお伺いしたいと思います。 ◎保健福祉部長(木村清君) 抗インフルエンザウイルス薬のタミフルの備蓄につきましては、国の新型インフルエンザ対策行動計画の中で、国と県が備蓄することになっておりますことから、本市においては備蓄は行われておりません。 なお、平成19年度までに国が1,050万人分、県が17万4,000人分と定めた当初の備蓄目標は、既に達成している状況となっております。 ◆23番(古市三久君) この新年度予算、平成20年度予算で、新型インフルエンザ対策は、日本は151億円なんですよ。ですから、1,500億円分のワクチンはつくれないと。道路予算は10年で59億円。これも問題です。 そこで、大流行前のプレパンデミックワクチンの備蓄は、国は1,000万人分あると。医療従事者と社会機能者で合わせて1,000万人と。医療従事者と社会機能者が1,000万人いるから、それでなくなってしまう、国民には回らないというのが今の実態なんです。 時間がありませんから、飛びますけれども、ガイドラインで、日用品とか食料の備蓄は2週間となっているんです。何でこれ2週間なのかというと、舛添厚生労働大臣の答弁では、大体平均的な日本の家屋のスペースでは2週間程度だという答弁をしているんです。これもちょっとどうかと思うんですけれども、したがって、こういう状況ですから、プレパンデミックワクチンというのは必要なんですよ。つまり、大流行前に打つと。それが全く準備されていないというのが非常に問題なわけです。 それから、薬用ワクチンのほかに知識のワクチン、つまり市民に正しい情報を提供することが不可欠だと。つまり知識を提供するということが言われているわけです。ですから、まだまだこの問題についてよくわからない点がたくさんあるかと思うんですが、ぜひ市は、情報収集をして、市民に情報を提供していただきたいと思うんです。 何が問題かと最後に言いますけれども、プレパンデミックワクチンが希望する国民全員に打てる体制がないということなんですよ。これ、1,500億円でできるわけです。それによって、皆、基礎免疫ができるわけですから、1度打つと、10年から40年もつということを言われているわけです。 したがって、市長、やはりこのプレパンデミックワクチンの生産体制、早急に国民の全員分つくるように、市長会等を含めて御要望していただきたいということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
    ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。            午後0時06分 休憩           ------------            午後1時10分 開議 △阿部秀文君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。11番阿部秀文君。          〔11番阿部秀文君第二演壇に登壇〕 ◆11番(阿部秀文君) (拍手)11番秀進会の阿部秀文であります。一般質問も私を含めてあと6名でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 通告順に従いまして、ただいまより一般質問を行います。 最初の質問は、自治会活動の課題についてであります。 物質的な豊かさの追求や都市化の流れの中で、個人指向ばかりが強まり、逆に失われつつあるのが共同で生活しているということ、お互いが助け合って生きているという自覚ではないでしょうか。地域の中でお互いに助け合いながら生きていくという古きよき伝統であります結いの精神が薄れていくことに危機感を持っているのは私ばかりではないと思います。 これまでも多くの先輩議員が機会あるごとにごみ集積所の管理やあり方など、いわゆる自治会活動について、さまざまな提言や本市の考えをただしてきております。私も、何といいましても、住みやすいまちづくりの基本は地域住民の自主的な活動が不可欠ではないかと考えておりまして、これからも積極的に支援してまいりたいと思います。 一方で、自治会活動を進める上で、さまざまな課題や問題も浮かび上がってきており、地域住民の悩みもあるわけです。そこで、なかなか解決が難しい課題ではあると思いますが、改めて共通認識を深めながら、これからの自治会活動の一助となるよう、本市の対応や考えについて伺ってまいりたいと思います。 自治会や町内会・町会などにつきまして、活動の形態や呼び名はさまざまでありますが、その地域に暮らす住民が相互に協力し合いながら、さまざまな活動が行われ、今日に至っております。活動分野は広範囲にわたっておりまして、地域の方々のボランティアによる活動が地域を支えていると言っても過言ではないと思います。 活動内容は、地域によって多少違いはあると思いますが、一般的には、地区の清掃・防犯・防災対策・福祉など、地域に共通した課題の解決に取り組んでおります。加えて、祭りや運動会等のレクリエーションを通しまして、住民同士の親睦を図りながら、生活環境の向上のために自主的に組織された任意の団体でもあると思います。 しかしながら、生活習慣の変化や価値観の多様化、住民構成の多角化、少子・高齢化及び都市化の進展などによりまして、住民相互の連帯感や公共心が希薄化し、地域のつながりが低下してきている状況になっているのではないかと危惧しております。 このような状況を改善していくには、住民がお互いを尊重し、深い信頼のもと、豊かな人間関係を形成するとともに、共通の生活目標を持って、積極的に地域にかかわり、自分たちの地域は自分たちでよくしていこうという意識を持ちまして、日ごろの活動をしていくことが大切ではないかと思います。 最近は、核家族や共働きの世帯がふえ、考え方の多様化とともに、忙しくて暇がない、人づき合いが煩わしい、役員をやりたくないなどの理由から、自治会活動について消極的に考える住民もおり、自治会・町内会離れが少しずつ進行していると感じております。自治会費は取られませんし募金などの強制もない。むしろ、自治会に入らないほうが得だと考えている人もいるということだと思います。 加えて、ペットとして飼われている犬・猫のふん公害やカラス対策、ごみの不法投棄やポイ捨て被害、近隣からの騒音被害など、いろいろな問題が起きているのも事実であります。これらの中には、住民同士のつながりの希薄さに起因していることが社会問題の原因の1つとして挙げられると思います。 逆に、一方で、社会問題となるような凶悪犯罪の増加や、いつ起きるかわからない地震などの自然災害への備えに対しても、自治会の役割は大きなものがあると思います。自治会に対する期待や役割が小さくなってしまえば、自治会の存在意義が薄くなり、若者を初め、地域住民にとっても魅力がなくなってきてしまうのではないかと思います。 そのような認識のもと、市内における自治会や町内会の状況について伺ってまいりたいと思います。 なお、自治活動組織の呼び名につきましては、地域によってさまざまございますが、今回の質問では、自治会という名称でお聞きしたいと思います。 最初の質問ですが、本市行政と各地域とのパイプ役として行政嘱託員がおります。行政嘱託員は、広報紙やその他市政に関する周知文書の配布などを主な職務内容としまして、各地区の実情に即した行政嘱託区ごとに置かれております。そこで、本市における行政嘱託員の現在の状況についてお伺いいたします。 ◎行政経営部長(仲野治郎君) 行政嘱託員につきましては、市政情報の周知・伝達等に協力いただくことを目的として、現在、642人を委嘱しております。 また、行政嘱託員の活動範囲となる行政嘱託区につきましては、世帯数の増減などを要因とする地域の実情に応じて分割や合併が行われておりますが、その数は、ここ数年ほぼ横ばい状態で推移しております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、次の質問ですが、本市には地域活動のかなめであります自治会は幾つあるのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 自治会や町内会などの数は、平成19年4月1日現在で502団体となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 各地域では、自治会役員さんと行政嘱託員を兼務されているのが大多数だと思います。その役員の方々のお話を伺いますと、自治会活動を進める上で問題となってきているのが、同じ地域に暮らす住民から、自治会活動へは参加したくないという住民も出てきているということであります。 そこで、現在の自治会の加入状況について、加入率で見た場合、どのようになっているのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 平成19年4月1日現在で申し上げますと、本市における全世帯数は12万9,942世帯でございます。 一方、いわゆる回覧板の配布世帯は10万6,899世帯となっておりまして、これを自治会加入世帯と考えますと、いわゆる自治会への加入率は82.2%となるものでございます。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、同様に地区別に見た場合の自治会加入率の状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 地区別の自治会加入率の状況につきましては、加入率が高い地区は、田人地区の98.0%、川前地区の97.7%、一方、低い地区は、小名浜地区が74.3%、勿来地区が79.0%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 同じ市の中にありましても、それぞれの地区によって相当差があるなと思うわけであります。 本市におけます自治会加入率につきまして、平成15年と比べた場合、どのように変化しているのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 平成15年4月1日現在の加入率は85.5%でありましたので、3.3ポイント減少しているところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) やはり大きく下がってきていることを実感したところでございます。 この自治会活動につきまして、役員後継者のなり手がいなくなってきていることや、自治会活動へは参加したくないというような市民の増加によりまして、自治会活動にマイナス面による影響も起きてきていると思います。 そこで、自治会運営について、現在の実態を考慮することや今後の運営を考えた場合、自治会の果たしている役割や必要性など、もっと地域住民に浸透させることが必要だと思います。 加えて、同じ地域に居住する住民として、自治会活動に積極的に参加していこうという推進運動を展開していく必要があると思いますが、本市の考えをお伺いします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 地域における自治会活動は、住みよいまちづくりを推進し、地域コミュニティーを維持・形成する上で、欠くことのできない重要な活動であると認識いたしております。したがいまして、市といたしましても、自治会活動の重要性について周知を図るとともに、各種活動に関する情報提供を積極的に行いながら、住民の方々が関心を持ち、参加の意欲が高まるよう啓発に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 自治会などによりましては、共同で財産などを所有している団体もあります。そこで、認可地縁団体という制度がありますが、改めて制度の概要をお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 認可地縁団体制度とは、地方自治法第260条の2の規定に基づきまして、地域的な共同活動のための不動産または不動産に関する権利等を保有している、もしくは、近々に保有する予定のある自治会等の地縁団体が一定の要件を具備することで、市町村長の認可により、法人格を有することができる制度でございます。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、現在、本市におきまして、認可されている認可地縁団体数の状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 平成20年2月末日現在で、67団体となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 共有財産等の状況から、認可地縁団体へ移行したほうが、これからの自治会活動にプラスになると見ている自治会はどの程度あるのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 自治会などからの法人化に関する相談状況から申し上げますと、今年度におきまして、認可地縁団体への移行について、具体的な相談が寄せられたものは10件程度でございますが、そのほとんどは集会所の新築等に伴うものとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) この自治会の認可地縁団体への移行推進に向け、今後の進め方についてお伺いをいたしたいと思います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 認可地縁団体制度は、不動産等の権利関係の問題解消等に有効な制度でありますことから、市で作成いたしております自治会・町内会等の法人化の手引きといった冊子の配布等によりまして、引き続き制度の周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問です。自治会活動で地域の方々が困っているその要因の1つとして、多くの役員さんから指摘されておりますのが、アパート住まいの方が多い地区にその傾向が見られるということであります。 そこで、地域とのコミュニケーションを良好な関係として、お互いが生活できるようにすることや、自治会活動への参加者をふやし、活動をしやすくする必要があると思います。ごみの分別ルールを守ることを初め、自治会活動へ参加していただけるような仕組みづくりも大切ではないかと思います。 そこで、例えばですが、借家などへ住んでいる住民へ、自治会加入への協力要請や、地域の実情や歴史的背景から運営されてきております地元ルールを理解していただくためにも、大家さんや不動産管理会社の協力を得て、入居時に交わす賃貸契約書面の中で指導・助言できるような仕組みづくりも考えていくべきではないかと思いますが考えをお聞かせください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 自治会は、住民の皆様の自発的な組織であり、その加入につきましても、個人の自由意思が尊重されるべきものではございますが、自治会活動は、住みよいまちづくりを推進する上で欠くことのできない重要な活動でありますことから、不動産管理会社等との協定締結など、有効な加入促進の施策について、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 部長の答弁にありますように、本来、自治会は任意団体でもあります。しかし、一方で、1959年に発生しました伊勢湾台風を契機として、1961年に成立した災害対策基本法では、地域コミュニティーにおける住民同士による防災活動が重視され、地域住民らによる自主防災組織の設置に関する規定が設けられているわけです。この自主防災組織は、主に自治会などを主体として設置することが想定されたものであり、自治会は単なる任意団体という位置づけにとどまらない、地域の担い手としての重要な役割を果たしてきていると思います。 本市におかれましても、各自治会単位による自主防災組織化を図り、緊急時に必要な資機材を各自治会に備えるとともに、常日ごろからの訓練を行ってきております。加えて、災害時に大きなダメージを受けやすい災害時要援護者につきましても、地域住民の協力なくして守っていくことも難しいと思います。そのためにも、地域住民同士が日ごろからコミュニケーションを図ることが非常に重要であると思います。 本市としても、自治会のかかわり方には難しさもあると思いますが、地域力・防災力を高める観点からも、積極的にかかわっていくようお願いして、次の質問に移ります。 次は、ごみ集積所についてであります。 各地区に置かれているごみ集積所の利用実態について、分別を守らない、ごみカレンダーを無視して集積所に持ち込んでしまうなど、ごみ集積所をめぐり地域住民間のトラブルが発生し、自治会内で摩擦が起きるなど、地域の課題として解消されていないのが実態であります。 そこで、質問ですが、ごみ集積所の現在の状況につきまして、どのように受けとめているのかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 市内のごみ集積所は、現在、約9,500カ所ありますが、その設置に際しては、収集業務や交通に支障がない場所、おおむね15世帯以上の利用があること、さらには、ごみ集積所を管理する方が選出されていることを要件としております。 また、管理者には、利用者に対し、相互に協力して集積所を清潔に保持することや適正な排出を指導することなどをお願いし、責任ある自主的な管理に努めていただいており、ほとんどの集積所においては適正に管理されている状況にあります。 しかし、ただいま議員御指摘のとおり、一部におきまして、排出ルールが守られず、集積所の適正な管理が損なわれトラブルとなっている状況も見られることから、市といたしましては、適宜、行政嘱託員や保健委員の方々を通じ、適正利用について指導をお願いしているところでありますが、今後とも、随時、広報等による排出ルールの徹底が必要と考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問ですが、捨てればごみ、分ければ資源というキャッチフレーズがありますが、本市では、各家庭より集積所を通じまして古紙回収が行われております。そこで、現在、本市で実施をされ、自治会等へ納められている古紙引取額はどの程度になっているのかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 紙類分別回収事業は、可燃ごみの減量とリサイクルの促進を目的として、平成元年度よりいわき市古紙回収事業協同組合と市が連携して実施しており、同組合が古紙の市況価格に準じた古紙買い取り単価を設定し、各地区に対して、回収実績に応じた料金を支払っております。 古紙買い取り単価は、昨今の古紙需要の増加に伴い上昇傾向にあり、特に新聞紙と段ボールは、現在、どちらも1キログラム当たり3円と、昨年度同期比でそれぞれ1.5倍、3倍に上昇しております。こうした状況を受け、四半期ごとに各行政区に対して支払われている古紙買い取り料金の総額は、今年度第3四半期現在、2,772万9,431円と、昨年度同期比で約1,175万円の増となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 総額では非常に大きな金額になっているなと。多くの市民の協力のたまものと思います。 この引取額は、毎年、それぞれ自治会活動費用の一部に充当されているのが実態と思います。考え方としましても、それぞれの自治会が使い勝手のよいごみ集積所へ改造していくという考えもよいのではないかと思っているところです。 次の質問は、ごみ集積所に群がるカラス対策についてであります。 都会でふえているのは主にハシブトガラスだそうであります。このカラスの被害につきましては、ごみ集積所に集められたごみ、特に生ごみを中心に散乱させ、衛生面での問題やまちの美観を大きく損なっている実態があります。 さらに、鳴き声がうるさいことや、ひなを育てている時期には、場合によっては人が襲われるということも起きております。ほかの自治体も本市同様に苦労されながら、カラスの生態研究やカラスフォーラムなども開催され、解決策を見出そうとしてきている状況にあると思います。しかし、残念ながら、根本的な解決に至っていないのも現実でありまして、背景にある社会状況から難しさもあると思っております。 そこで、ごみ集積所について、本市のカラス被害対策として、先進自治体の事例を積極的に学びながら、高い効果が期待できる情報提供を本市の困っている地域へ行っていくべきではないかと思いますが、これまでどのように進めてきているのかお伺いをいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 本市におきましては、これまでカラス対策として、広報いわきやお知らせ回覧などを通じ、目が細かく、重量のある網の利用や、ネットに重りをつけるなどの方法について周知してきたこともあり、現在、おおむね8割の集積所において、何らかのカラス対策が講じられているところであります。 今後とも、他の自治体において実施されているカラス対策などの情報を収集し、広報いわき・市ホームページ・クリンピーのこえ等の広報媒体を通じ、市民の皆様へ情報提供を行ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) カラスは見た目が悪く、また鳴き声もきれいとは言えず、加えて動物の死体に群れて食べたりする習性などから、どうしてもよくないイメージが一般的であります。そのため民話では、ほかの鳥をだましたりする悪者として登場する場合が多いようです。 しかし、これとは反対に、カラスを神聖な鳥として扱った話も少なくありません。例えば、日本人に一番有名なカラスは、サッカー日本代表のユニホームマークにも使われております3本足のヤタガラスではないかと思います。古事記・日本書記の神話では、カラスは神聖な鳥として登場しておりまして、熊野三山では、カラスを神の使いとして、護符の図案にも使われているそうです。このように、人間とカラスは昔から共存してきていることから、今後もカラスの習性などをよく研究し、緩やかな共存の道を探していくのも必要ではないかと思うわけです。 そこで、次の質問は、集積所に置かれておりますごみ箱の形状についてです。 本市の集積所に置かれているこのごみ箱については、それぞれが独自の方法で製作し、管理している実態があります。材質につきましても、木製や鉄製などばらばらでありますし、形状や大きさにつきましてもさまざまであります。町並みの景観に配慮されているごみ箱になっているとは言いがたいのが実態ではないかと思います。統一性がとれたまちの景観や美観を守る観点からも、ごみ集積所の統一性が必要ではないかと考えます。 加えて、集積所周辺の衛生面を確保することや、収集運搬車への考慮もされた構造や製作方法などについて、積極的に情報を発信され、きれいな町並みにすることや、環境にも配慮された集積所にしていくべきではないかと考えますが、本市の考えをお伺いいたします。 ◎生活環境部長(荒川喜一君) 現在、ごみの集積所につきましては、住宅密集地域や中山間地域など、異なる地域の実情に応じ、ネットや回収ボックス等が設置されております。設置に当たりましては、環境美化の観点から、適正管理をお願いしておりますが、今後は、他の自治体等の事例を情報収集しながら、議員おただしの環境にも配慮された集積所につきまして、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) このごみ集積所の関連につきましては、そこを利用される住民のモラルが問われているわけでありますが、気持ちよく利用できるような仕組みづくりにしていきたいと思います。行政としても積極的な支援をお願いしたいと思います。 次は、市民グラウンドなどのごみの管理についてです。 県内外より多くの方々が本市へ観光やスポーツ行事などにより訪れていただいております。まことにありがたいことであります。しかし、本市へ来訪される方々からは、市民グラウンドや公園などの公共施設にごみを捨てるところがないという指摘もあります。本市では、現在、市内の主要な公共施設であります市民グラウンドや公園などにはごみ箱を設置しておりません。 そこで、質問ですが、特に市民グラウンドについて、ごみ箱を設置しない理由についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市民グラウンドにおきましては、開設以来、管理上の問題や分別排出が徹底されないなどの問題から、ごみ箱の設置はいたしておりません。このため、市民グラウンド利用の際のごみ持ち帰りにつきましては、利用団体等を通し、あらゆる機会をとらえて、ごみを持ち帰るマナーの向上に努めているところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) 部長も理解しておられますように、この市民グラウンド周辺に捨てられているごみを見ますと、ほとんどがごみ箱がないことによると思われるわけでありますが、内容は、ポイ捨てによる一般廃棄物であります。全体として見れば、決して好ましい状態にあるとは言えないと思います。 そのような観点から、利用者への啓蒙活動の強化が必要ではないかと考えます。特に、団体利用する大きな行事主催者につきましては、利用者へのごみの持ち帰り運動の呼びかけや、主催者としてのごみの分別や後始末に責任を持った利用をすることにより相当程度防ぐことができるのではないかと思います。 そこで、質問ですが、利用申し込み時や貸し出し時に、行事主催者に対し、ごみの持ち帰り運動の徹底などの指導強化をすべきではないかと思いますが考えをお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) これまでごみの持ち帰りにつきましては、行事主催者等に対する使用許可書にも注意事項として記載しておりますが、施設の使用許可書の手渡しの際にも、再度、口頭で協力をお願いしているところでございます。 ごみの持ち帰りにつきましては、今後も、施設利用者等に対しまして適時適切に指導してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) いろいろな角度から自治会活動にかかわる課題について質問させていただきましたが、これからの自治会活動では、安全・安心の観点から、地域の中で子育てを見守ることや、高齢者福祉、独居老人の生活見守りと孤独死を防ぐこと、さらには、地域の防災対策を初め、身近な環境問題への対応といった課題があり、地域の果たす役割もますます重要になってきていると考えます。 自治会の加入率低下に歯どめをかけませんと、地域の一体感がなくなってしまうのではないかと思います。そうしないためにも、早急に対応が必要でありまして、行政としても、引き続き積極的な支援をお願いしたいと思います。 次の大きな質問は、市営墓園についてであります。 公園墓地につきましては、関東大震災を境に、大正12年に40万坪という広大な面積を整備し、多磨霊園を開設したのが公園墓地の始まりと言われております。本市におきましても、公園と一体となった墓地として、東田墓園・南白土墓園の2つの市営墓園が整備をされ、今日に至っております。そこで、市民ニーズの高い市営墓園につきまして、伺ってまいりたいと思います。 まず、現在の状況についてですが、この市営墓園について、これまでの整備状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 市営墓園の整備状況につきましては、南白土墓園が全体計画8墓域のうち、現在、第7墓域までの2,747区画が整備済みとなっております。また、東田墓園につきましては、今年度増設いたしました171区画を含め、全1,614区画で整備が終了したところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) これまでのこの市営墓園の使用者募集について、募集区画に対する申し込み状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 南白土墓園、それから東田墓園につきましても、すべて使用者が決定しているところではございますけれども、新たな区画の募集につきまして、直近の状況で申し上げますと、南白土墓園につきましては、平成18年度に実施いたしました第7墓域の259区画の募集に対しまして、2.2倍となる571件の応募がございました。 一方、東田墓園につきましては、今年度増設した171区画の募集に対しまして2.6倍となる444件の応募がございました。 ◆11番(阿部秀文君) 東田墓園につきましては、今回が最後の区画整備だということでございます。本年1月26日から2月15日を募集期間として、墓石等の形態や規格に定めがある第2種規格墳墓の申し込み受け付けをされたわけです。 そこで、質問ですが、今回募集された状況について、いわき市内を地区別から見た場合の応募状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 応募総数444件を地区別で申し上げますと、勿来地区が251件、小名浜地区が99件、常磐地区が31件、平地区が30件、それ以外が33件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 市営墓地は、自由墳墓と規格墳墓の2種類に分けて整備されてきておりますが、市民ニーズにつきましてはどのように受けとめているのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 規格墳墓は、設置する墓碑等の形態を制限しており、自由墳墓は、特に制限していない墳墓でございます。また、規格墳墓は、自由墳墓と比較いたしまして、1区画の面積が小さく、永代使用料及び墓園管理料を低く設定しております。 現在、規格墳墓は、南白土墓園及び東田墓園合わせまして3,916区画、一方、自由墳墓は、南白土墓園に445区画ございますが、これまでの申し込み状況を見ますと、規格墳墓のほうが若干ニーズが高い傾向となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問は、返還墳墓についてであります。 主に、どのような経緯や実態から本市に返還をされてきているのか、その状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 墓地の返還がありました主な理由といたしましては、改めて寺院等の墓地を取得したこと、また、市外に居住している方が居住地近くの墓地を取得したことが主な理由となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 返還墳墓につきましては、再整備が完了した時点で、再度、使用者を募集していると思いますが、その応募状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 今年度実施いたしました南白土墓園での返還墳墓の公募状況を申し上げますと、募集区画は7区画でございましたが、その37.5倍となる263件と、非常に多くの応募がございました。 ◆11番(阿部秀文君) 非常にニーズが高いと改めて思ったわけであります。 次に、墓園管理料につきましては、毎年、使用されている市民より納めていただいていると思いますが、過去3年間の納付の状況についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 過去3年間の墓園管理料の納付状況を申し上げますと、平成17年度は、収入済額が915万6,420円、収入率は98.9%でございます。平成18年度は、収入済額が915万6,420円、収入率は97.8%となっております。また、平成19年度は、2月25日現在で申し上げますと、収入済額が985万1,940円、収入率は97.3%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 墓地の管理ですので、使われている市民の皆さんも相当意識をされて、きちんと納められているということだと思います。 それで、市営以外の市内の墓地の数について把握しているのであればお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 墓地につきましては、墓地、埋葬等に関する法律、いわゆる墓埋法に基づき経営許可を受けることとなっておるところでございますが、市内にございます市営以外の墓地数につきましては、本年2月末現在で543カ所でございます。 ◆11番(阿部秀文君) 非常に多くの場所があるなと思うわけですが、それでは、この543カ所の墓地について、整備されている区画数は把握されているのかどうかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 墓地の区画数につきましては、先ほど申し上げました墓埋法に基づく墓地の経営許可申請の要件となっておりませんので、区画数については承知いたしておりません。 ◆11番(阿部秀文君) 今回のこの市営墓園を質問するに当たり、私も調べてみて、驚いたのと納得したことがございます。政令指定都市・中核市ともに、市営の墓地や霊園につきましては、市民ニーズに沿って相当数の区画が整備され、市民に供されている実態にあるということでありました。 政令指定都市17市におきましてはいずれも整備されておりまして、平均では、1市当たり約2万6,000区画、最も多く整備されているのは神戸市で、市内9カ所に約7万6,300区画にもなっております。 中核市におきましても、35市中本市を含め33市で整備されている実態にあります。中でも、墓地として最大の区画を整備しておりますのが鹿児島市で、18カ所に約4万3,500区画、中核市平均でも約1万5,700区画になっている状況にあります。本市より下回っておりますのは3市だけで、33市中本市は30番目という実態にあったわけであります。市営墓地が未設置なのが、川越市と長野市の2市だけでありました。このことからも、市民ニーズにこたえるべく、各自治体も努力され、それなりに整備をされてきているということだと思います。 それらを踏まえ、本市における今後の整備の考えについて伺ってまいりたいと思います。 まず、市営墓園の現在の状況についてですが、まだ整備途中の南白土墓園につきまして、今後の整備の考えについてお伺いします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 南白土墓園の今後の整備計画につきましては、第8墓域といたしまして、おおむね630区画を整備することといたしており、来年度実施設計を行い、平成21年度と22年度の2カ年で工事を実施する計画をいたしているところでございます。 なお、使用者の募集につきましては、平成21年度及び平成22年度の各年度に、それぞれの工事が完了した区画につきまして、募集してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) なるべく早く募集ができるように、よろしくお願いしたいと思います。 これまでの墓地の応募状況から、残念ながら、抽せん漏れの市民が数多く出ているのも事実であります。応募倍率から考えた場合、市営墓地に対する市民ニーズにつきましては、まだまだ高いものがあると思います。 現在の計画では、先ほどありましたように、南白土墓園については、第8墓域の整備によりまして、本市の整備計画はすべて終了となるわけであります。墓地に対する市民のニーズが高い中にありまして、加えて広域多核都市という本市の特性や地域性も考慮した場合、引き続き整備していく必要があると思います。 そこで、広域な市内を南部・北部というおおよその区分のもと、市営墓園の整備計画を今後も考えていくことも必要ではないかと思いますが、本市の考えをお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、市営墓園の整備計画につきましては、平成22年度までの南白土墓園第8墓域の整備で終了することとなっているところでございますが、それ以降の墓園整備につきましては、その際の応募状況などを見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 都市部を中心にして、市民のさまざまなニーズにこたえられるような墓地が整備されてきております。例えば、景色のよいところに眠りたいとか、樹木となって自然と共生していきたいとか、お墓をつくっても継承者がいない。子孫には没後の面倒をかけたくない。ペットと一緒に眠りたい。そして、千の風になって海や野山を吹き渡りたいなどなどであります。 本市の市営墓園のこれからの整備につきましては、廃止予定の既存火葬場の跡地も含め、遊休土地となっている市有地の有効活用も考慮すべきではないかと思いますが考えをお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 先ほど申し上げました具体的な検討が必要となりました際には、未利用の市有地の活用も含め、検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 公営の公園墓地につきましては、緑地や広場が整備されておりまして、明るい雰囲気の墓地であります。敷地が広いことから遊歩道なども整備されておりまして、お参りだけではなく、ウォーキングやジョギングなど、市民の健康づくりにも利用されている実態もあります。加えて、費用負担が少なくて済むことや、宗旨宗派などを問わないことから、条件を気にせずに求められることが市民ニーズの高い理由ではないかとも思います。 しかし、公園墓地につきましては、広大な敷地ゆえデメリットもあると思います。体が不自由な方には、広大な敷地が体への負担が大きくなってしまうことや、どうしても郊外地域に整備されることが多く、交通の便がよくないということであります。これからは、市民ニーズも受けとめながら、もっと柔軟に整備を考えていってもよいのではないかと思います。 次の質問に移ります。 これからは、市営墓園の高度利用の観点も必要ではないかとも思います。本市では現在、首都圏などからの定住促進や二地域居住促進策が進められておりますが、同様に、定住促進を進めている他自治体との違いをアピールするという観点からの方策の1つとして、新しく定住された市民には、市営墓地を優先的に確保できるというような提示も効果が大きいと考えますが、本市の考えをお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 先ほど御答弁申し上げましたけれども、新しく募集をいたしますと、市民の方から2倍、3倍というお申し込みをいただいております。こうしたお申し込みの状況を考えますとき、新しく定住された方に対し、優先して墳墓区画を提供するというのは、現時点におきましては困難なものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 墓地は、人生のついの住みかでありまして、市民が人生の将来を考えていく上で無視できないものであると思います。いつ準備をするか、いつ用意できるかは、市民が求めようとする場所の選定や費用負担もありますことから、墓地の確保には大きな決断が必要であります。市民ニーズがある限り、行政としてもしっかりと受けとめて、こたえていかなければならないと思います。 今後の整備方針につきましては、市民ニーズをしっかりと受けとめていただいて、ぜひ整備を続けられるようお願いをして、次の質問に移りたいと思います。 大きな3点目は、市役所出前講座についてであります。 本市では、市制施行30周年に当たります平成8年度に、輝くいわき、学びあい都市宣言を制定し、いつでも・どこでも・だれでも・何でも学べる生涯学習のまちづくりを目指す考えのもと、新しく一般メニュー64プログラムの講座数によりまして、市役所出前講座がスタートいたしました。 市民の自発的な生涯学習活動を支援するため、本市の施策を中心とした仕事を学習メニューとして取りそろえ、メニューの中から市民要望に沿って職員が講座を担当し、まちに出前をする講座を事業として始めたわけであります。そして、平成11年度には、授業等での活用を図るため、小学校高学年から中学生向けの子供メニューも新設されました。加えて、現在の出前講座には、国や県などのさまざまな公的機関にも参加をしていただいて、現在に至っております。 そこで、現在の状況についてですが、出前講座の講座数は幾つになっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本年度、平成19年度の市役所出前講座の講座数につきましては、一般メニュー118講座、子供メニュー60講座、合計178講座となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 本市以外の公的機関につきましても、市役所出前講座に参加されておりますが、その状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市以外で参加いただける機関といたしましては、福島地方検察庁、福島県小名浜港湾建設事務所や警察署などの24の国・県等の機関に参加いただいており、講座数は、一般メニューが69講座、子供メニューが57講座、合計126講座となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 相当数のメニューが用意されているということだと思います。 平成19年度も、間もなく年度末を迎えるわけでありますが、そこで、平成19年度現在におけます市民の出前講座の利用状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本年2月21日現在の市役所出前講座の利用実績について、一般・子供合わせて申し上げますと、利用件数が222件、利用者数が1万612名となっております。 国・県等の機関の出前講座の利用実績は、一般・子供を合わせて申し上げますと、利用件数が245件、利用者数が1万9,458名となっております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、過去2年間の利用状況について、どのような状況かお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 今年度はまだ年度途中でございますので、平成17年度と平成18年度で申し上げます。 まず、平成17年度の市役所出前講座の利用状況につきましては、一般・子供合わせて申し上げますと、講座数が173講座、利用件数が222件、利用者数は8,536名となっております。 また、平成18年度につきましては、講座数が179講座、利用件数が230件、利用者数は9,888名となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 本年はまだ年度途中でありますが、過去2年から比べますと、大きく件数や参加者が伸びているなと思います。そこで、この大きく伸びた主な理由についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本年度の利用件数が伸びている理由でございますけれども、市民の皆様の学習意欲が高まっている中で、一度受講された団体等が、毎年継続して受講するケースが多くなってきていること、また、市内の全小・中学校で取り組んでおります学社連携・融合事業の中でも活用されるケースがあることなど、利用件数が伸びている要因と考えております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、次に市民の人気が高い講座について、どのような内容かお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(山田満君) 人気が高い講座について、平成19年度の実績で申し上げます。 まず、市役所出前講座のうち、一般メニューでは、健康と生きがいづくり講座や高齢者の医療制度などの健康や福祉の分野の利用が多く、子供メニューでは、福祉の分野で障がい福祉について、環境の分野で暮らしに生かそう環境マナー教室など、参加体験型の講座の利用が多い状況になっており、また、国・県等の機関の出前講座においては、福島地方検察庁の裁判員制度や、福島県小名浜港湾建設事務所のど~なってるの国際貿易港・小名浜港等が利用の多い講座となっております。 ◆11番(阿部秀文君) また、相当数の講座数を持たれているわけですが、毎年、講座の見直しもされてきていると思いますが、講座の増減の状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 講座の見直しにつきましては、関係各課等の協力を得て行っておりますが、平成19年度の実績で申し上げますと、市役所出前講座につきましては、一般・子供合わせて、新規講座は16件、廃止講座は17件となっております。 国・県等の機関の出前講座については、一般・子供合わせて、新規講座は20件、廃止講座は18件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 結構講座の見直しがされていると思いますが、それでは、逆に、全く未利用の講座につきましてはどのように考えているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 利用率の低い講座につきましては、関係課と連携を図りながら、講座メニューをわかりやすく表現したり、その内容を講義型からできるだけ参加体験型にするなど、市民の皆様に幅広く利用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 市民がこの出前講座の受講を修了したときに、アンケートも行ってきているそうでありますが、市民意見の講座への反映につきましてはどのように行っているのかお伺いをいたします。 ◎教育部長(山田満君) 受講者からのアンケートの結果につきましては、関係各課等に送付いたしまして、今後のメニューや資料作成の参考にいたしますとともに、講師となる職員の話し方や進め方などの向上を図る出前講座講師担当職員研修会というものを開催しておりまして、この研修会の資料として用いるなど、その活用を図っているところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) 本市が行っているさまざまな施策を市民が身近に学習をしながら、そして活発な意見交換などを行いながら、本市の各種施策に反映され、より住みやすいまちづくり、市民の生きがいづくりにつながるようにすることが最も大切ではないかと考えているところであります。 そこで、次の質問は、市役所出前講座の今後についてであります。 市民の生涯学習の推進という観点から考えた場合、本市の施策を中心に説明し、市民に理解していただくという講座のスタイルから一歩脱却し、市民参加型講座の充実や遊びながら学べる要素も加えた講座も積極的に開発していってはどうかと考えるわけです。詰め込みばかりではなく、一緒になって五感を利用しながら遊び学び合うことや、世代を超えた市民同士がコミュニケーションを図れるような講座開発も、生涯学習の観点から大切ではないかと考えているところであります。さらに、講師・受講生それぞれのマンネリ化を防ぐ意味からも、改めて講座内容を見直すことや、新しい出前講座スタイルの開発などが現在、求められていると思います。加えて、アピール性を増す意味からも、市民に親しまれやすいような名称へリニューアルすることも必要ではないかと考えます。 そこで、質問ですが、今後の運営方法について、考えをお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市民の皆様の自発的な生涯学習活動の支援を図るためには、まさに、議員おただしのように、講義だけではなく、市民の皆様が参加・体験できるような講座へ見直したり、楽しく学び合うことができる講座内容とすることも重要な視点であるものと考えております。 このため、運営方法や講座内容等に関するアンケート調査等を通した市民ニーズの把握、さらには、担当職員研修会等を通した創意工夫を凝らした運営の実現など、市民の皆様に親しみやすい、利用しやすい出前講座実施に努め、いつでも・どこでも・だれでも・何でも学べる生涯学習社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 新・いわき市総合計画の改定基本計画の中では、本市の市役所出前講座につきまして、成果指標として、受講者数につきましては、平成22年度目標値では1万400人の受講者を目指すとしております。今年度のような状況が続けば、生涯を通した学習活動の推進という観点からも、早期に目標を達成できるようになることはすばらしいことでありまして、さまざまな工夫を取り入れ、実施してきた結果であると受けとめております。 担当する教育委員会には、大変御苦労さまと申し上げておきたいと思います。 生涯学習は、市民の生きがいづくりに不可欠であり、深くかかわっていると思います。活気に満ちたまちづくりを目指すには、より多くの市民が行政のさまざまな施策に積極的に参加し、ポジティブに活動していくことが大切であると思います。さらに、社会経済の成熟化や人々の価値観の多様化など変化に対応し、ますます市民の学習意欲を高められるような仕組みづくりが、今、行政に求められてもいるとも思います。 今後とも、住み続けたくなるようなまちづくり、そして活気のあるまちづくりに寄与するような、実効性の高い講座開発をお願いして質問を終わります。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時40分まで休憩いたします。            午後2時07分 休憩           ------------            午後2時40分 開議 △森田ミエ子君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。4番森田ミエ子君。          〔4番森田ミエ子君第二演壇に登壇〕 ◆4番(森田ミエ子君) (拍手)4番いわき市議会論政会森田ミエ子です。ただいまから通告順に従い、一般質問をいたします。 はえば立て、立てば歩めの親心。親と子のきずなというものは、どんなに世の中が変わろうと、親の子を思う心、子が親を慕う心情は変われるものではなく、その愛情は海よりも深しと言われておりましたが、最近の社会風潮を見ると、時折痛ましい事件に心を痛めます。現在の子供を取り巻く社会的現象を築いてしまったのは、経済優先に先走った社会のひずみでしょうか。 人生において、挫折や失敗のない困難のない人生はあり得るでしょうか。親として、大人として大切なのは、子供が転ぶのを防ぐのではなく、転んだとき、その痛みを受けとめ、その痛みを乗り越え、どのように立ち上がるかを一緒に考え、励まし、子供が自分の力で立ち上がれることを見守り続けることが大切であり、時として、弱者が犠牲にならないような社会的体制、そして、環境の整備を構築することが大人の役割であり、また、行政の大きな役割だと思います。 そこで、以下質問させていただきます。 大きな1点目、児童・生徒の安全・安心確保について。 学校の危機管理マニュアルについてであります。 文部科学省は、平成13年、大阪教育大学教育学部附属池田小学校の事件を契機に、学校への不審者侵入時の危機管理マニュアルを都道府県教育委員会に示しました。そして、平成20年1月には、安全対策のより一層の徹底を図るため、学校への不審者侵入に加え、通学路の安全対策を強化し、日常的通学路の安全点検を盛り込む改善策を打ち出しました。不十分なところは早急に改善することが必要であると、学校内外における安全対策の意識向上を求めました。文部科学省の学校の危機管理マニュアル、登下校チェック改定はどのような内容かお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 文部科学省の学校の危機管理マニュアルの改定につきましては、チェックリストの一例に、全般及び不審者侵入時編と登下校編が加えられました。その改定の主な内容には、通学路において事件が発生した場合の連絡体制や、子供たちに危険予測・危険回避能力を身につけさせる安全教育の実施などの項目が追加されたものでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、いわき市において、学校への不審者侵入時危機管理マニュアル策定後の事案の実態はどのようであったのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市におきまして、マニュアル策定後、学校に不審者が侵入したという事案は発生いたしておりません。 また、登下校時においては、平成16年度以降、声かけ事案等が数件発生しておりますが、平成18年度に全小・中学校に組織されました子ども見守り隊の皆様の積極的な御協力によりまして、声かけ事案は減少傾向にございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 文部科学省は、各学校に応じて機能する独自の危機管理マニュアルを作成することとしておりますが、いわき市においては、文部科学省が示すマニュアルにプラスアルファする部分はあったのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 文部科学省において作成された学校への不審者侵入時の危機管理マニュアルの内容を参考にしながら、山間部や都市部など、各小・中学校の実態に応じて点検項目を加えまして、年度ごとに改善するよう各学校に働きかけております。 また、文部科学省が平成19年11月に作成した学校の危機管理マニュアルを配布する際にも、各学校の実態に応じたマニュアルを作成するよう各小・中学校に指導しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 文部科学省は学校・家庭・地域等の実態に応じた万全の対策が必要と、教育委員会用・学校用と区別したチェックリストの評価をA・B・Cとしておりますが、いわき市教育委員会の評価はどのようなものであったのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 教育委員会といたしましては、昨年11月に、市内の公立幼稚園・小学校・中学校に対して安全管理対策の調査を行いました。その結果、各学校独自の危機管理マニュアルは100%整備されておりまして、防犯教室や防犯訓練等は、各学校が警察署や消防署と連携しながら保護者の協力を得て実施しており、児童・生徒の安全対策についてその効果が上がっているものと評価しております。 ◆4番(森田ミエ子君) 評価に対しては大変よかったという御答弁で、今後、校舎の内外を問わず子供を取り巻く環境の安全・安心の確保のできる体制の構築をお願いいたしまして、次の質問に移ります。 2点目が、通学路の事故防止及び安全対応策について。 道路事情・交通量の変化により通学路周辺の道路状況の変化に応じた安全確保はどのようになっているのか。いわき市においては、国道・県道・バイパスなどの開通・整備により交通事情は変化し、日常生活は便利になった一方、当市の交通事故多発も悩みの1つです。道路事情が変わればそれに付随して子供たちの通学路の安全確保の問題も浮上してまいります。通学路の状況に応じて、信号機の設置や通学路に対する地区住民・保護者からの要望もあるのではないかと存じます。児童・生徒の安全・安心は、いわゆる市民の安全・安心でもあります。児童・生徒の安全確保の道路対応についてはどのような対応策をとられているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 道路事情・交通量の変化によります通学路周辺の道路状況の変化に応じた安全確保につきましては、各学校が毎年作成しております安全マップ等を活用しながら、子供たちに指導しております。 また、各学校では、交通安全協会や防犯協会の方々の協力を得ながら、子供たちの安全確保に努めていると認識しております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、登校時の7時前後に、交通量の多い要所に交通安全母の会を中心に保護者の方々が立哨当番としてお立ちになりますが、当局は立哨の実態をどのように把握しているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 保護者の立哨当番の実態につきましては、各小学校のPTAと交通安全母の会が連携しながら各地域の実態に応じて立哨当番を分担し、保護者の方々の協力を得ることで自発的な交通安全に向けた活動を行っているものと認識しております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その当番の頻度についてであります。我が子が元気に登校する様子、また、地域の子供たちが元気に登校する様子は、親にとっても地域住民にとっても大変うれしいものです。子供の安全確保は親の務めでもあります。朝のあわただしい時間帯とはいっても、親として当然の義務でもあります。しかし、最近の少子化の中で、当番の頻度も多くなると、仕事を持つ親にとっては大変な負担でもあります。ある地域では、1週間に1回回ってくると訴える母親もいます。少なくとも最低6年間、子供が多ければ十数年間にわたり週1回立哨を継続するということは、女性の社会進出にも支障を来し少子化にも及びます。そこで、いわき市の当番頻度の実態はどのように把握なさっているのかお伺いいたします。
    ◎教育部長(山田満君) 立哨当番の頻度につきましては、児童数の少ない小規模校や山間部の学校、交通量の多い地域を抱えている学校ではその頻度が多く、大規模校や交通量の少ない学校ではその頻度が少ないなど、各学校の実態に応じて活動しておりまして、頻度には差があるものと認識しております。 ◆4番(森田ミエ子君) 少子化、就労女性増加による支援策についてでありますが、少子化対策はもちろん、経済的・社会的背景の解決も大切、同時に、子育てにかかわる詳細にわたって女性の負担を軽減することが、必要です。これまで、市として交通安全母の会、もちろん父親の姿もありましたが、また、交通指導員の交通誘導もあります。子育て支援の観点から、母親への社会的負担の軽減への対応策も必要かと存じます。学社連携・融合の中で、そうした部分への浸透も必要になってくるのではないかと存じますが、御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 保護者の負担増に対する対応策につきましては、各学校の実態により保護者の負担について差がありますことから、各学校のPTAや交通安全母の会など、個々の実態について話し合う機会を設定することや、関係機関と連携しながら対していくことについて研究してまいる考えでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 立哨に当たっては、当番に当たっても出てこなかったり、母親同士のトラブルになる原因ともお聞き及んでおりますので、ぜひその辺の、時代の変化に応じた対応策をお願いして、次の質問に移らせていただきます。 下校時の防犯対策についてであります。遅い時間帯、かばんを背負った生徒の姿を目にします。部活終了後、そのまま塾に行く生徒もいるのかと思われますが、帰宅時の指導はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 部活終了後の帰宅時間についてでありますが、各学校において夏季・冬季、あるいは、スポーツのシーズン・オフシーズンなど実態に応じて設定しております。また、帰宅時は複数で帰ることや、危険箇所や人通りの少ないところを通行しないこと、遅くなってしまう場合には保護者に迎えにきてもらうなど具体的な指導をしているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 夜間通行時に反射材をつけていない生徒に遭遇することがあります。夜間の走行時の反射材はドライバーが通行人の存在をキャッチするには大変ありがたい表示です。生徒の持ち物に対する反射材貼付の義務づけはないのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 中学生が使用しておりますショルダーバッグやサブバッグには、安全確保の面から入学時の使用当初より反射材が貼付されております。また、年度途中ではがれてしまった場合には、安全確保の面からも再度貼付するよう各学校で指導しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 通学路の防犯灯の管理についてでありますが、防犯灯の設置・管理については、それぞれの管轄のもと管理されているのかと存じます。設置は行政、管理は各自治会とも伺っておりますが、場所によっては電灯が切れても放置されたまま、関係各所に申し出ても一向に解決に至らず心配する声をお聞きいたします。少なくとも児童・生徒の通学路においては、安全・安心、事故・事件防止のためにも管理体制は万全を期すべきと存じますが、御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 通学路の防犯灯の管理につきましては、子供たちの安全面からも、各学校において定期的に点検したり、各地区の区長さんや自治会など関係機関に協力を申し入れたりするよう、今後とも各学校へ働きかけてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 私は過日、裁判を傍聴いたしました。帰宅途中の女性が生い茂った草むら、樹木の陰に引き込まれた事件です。勇気ある女性と家族の被害届により犯人は検挙され、次の被害者を出さずに済みました。しかし、この被疑者には余罪もある内容でした。他に被害届は出されていないということです。現場は決して人通り・交通量の少ない場所ではありません。法的機関の方によると、被害届を出すには相当の勇気が要り、やみに葬られることも多いとのことです。また、ある中学校近くの孫娘を持つ祖父は、孫に万一のことがあっては取り返しがつかない。関係機関に言っても生い茂ったカヤや背丈の高い雑草は刈り取ってはくれない。自分で通学路の沿道の草刈りを行っていたが、孫は卒業、自分も高齢のためこれ以上のボランティアは難しい。でも、この通りを何とかしないと危ないよと嘆く声を聞きました。 また、私はある地域の懇談会に出席し、公園・通学路の雑草、立木の管理・整備は母親たちの心配の1つでもあることを痛感いたしました。所有者、それぞれ管轄など問題解決には困難もあろうかと存じますが、主として、通学路沿道の雑草・立木の管理・整備にどのような対応策をとられているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) おただしの通学路沿道における死角の原因となる雑草・立木の管理・整備につきましても、子供たちの安全面から、道路を管理している関係機関に対しまして、各学校を通し働きかけていくよう努めているところでございます。今後ともそういった考え方のもとに対応してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) もちろん、自分の身は自分で守るが原則ですが、通学路沿道の整備等につきましては、事件・事故防止の観点から十分な配慮が必要と存じますので、しっかりと管理体制を構築していただきたいと要望いたしまして、次の質問に移ります。 危険箇所に対する関係各者との共通認識と事故防止策についてであります。各学区内危険箇所等所在地に対し、関係各者との共通認識の体制の構築でありますが、各地域には、子供会に対する健全育成会あるいはボランティア団体は相当数あると伺っております。危険箇所の確認、地域が抱える児童・生徒の問題等の横の連携を図る方策はどのようにとられているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 各学区内危険箇所所在地に対しての関係各者との共通認識体制の構築につきましては、先ほど御答弁しました各学校で作成した安全マップ等をもとに、危険箇所を管理している関係機関に対し管理の強化をお願いするとともに、見守り隊の方々の協力を得るなど、学校としてできることについて指導してまいる考えでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 危険箇所、例えば、いわき市内には結構調整池といいますか、ため池と申しますか、池があったり、廃坑跡などもございます。そういった場所に対しての保守点検はどのように行われているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 危険箇所の保守点検につきましては、その箇所を管理している関係機関等と連携しながら、学校としてできる範囲で対応するよう指導してまいる考えでございます。最大限の努力をしてまいる考えでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、危険箇所の日々の管理についてでございますけれども、その管理というのは、常にだれかがきちっと管理をなさっているのかどうかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 危険箇所の日ごろの管理方法につきましては、学校として子供たちに危険箇所に近づかないように指導するとともに、危険箇所を管理している関係機関、あるいは地域の方々と連携しながら対応するよう指導しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 間もなく4月になりますと新入生が入ってまいります。そういった子供たちも喜びの余り、地域で遊ぶ機会もふえるかと思いますけれども、ぜひ、地域におけるため池、それから危険箇所については十分な御配慮をお願いしたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 子ども避難の家について、いわき市においては、子ども避難の家は平成9年に制定され、平成9年12月から設置されました。要綱制定後、今日までの実態はどうかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本年2月25日現在、子ども避難の家は3,083軒ございますが、平成9年の要綱制定以降の利用状況について申し上げますと、平成14年に2件、小学校1件、中学校1件、平成15年度に1件、小学校の報告を受けております。いずれも不審者から声をかけられ、子ども避難の家を利用したものでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 子ども避難の家の緊急避難場所の所在は、地区住民を初め、幼児・児童・生徒においては常に設置場所の確認・把握が必要と存じますが、子供たちにはどのような周知方法をとられているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 各小・中学校におきましては、学区内の子ども避難の家の場所を明示した地図を配布するなどして、児童・生徒への確認・周知を図っているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 子ども避難の家につきましては、市内の住宅事情の変化、都市化・過疎化・地域社会の状況変化に応じた選定の見直し等、必要に応じた状況変化への対応策も必要かと思いますが、その対応策はどのようにとられているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 地域社会の状況変化に応じた選定見直しにつきましては、各学校が実態に応じて学区内の商店などと連絡を取り合いながら、子ども避難の家をお願いしたり、再度見直しを行ったりしているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、学校を中心とした避難の家・家庭・地域と関係機関との連携はどのように図られているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学校を中心とした家庭・地域・関係機関との連携方法につきましては、全小・中学校で編成しております子ども見守り隊の方々から情報を提供していただくとともに、子ども避難の家等に安全確保についての協力を依頼したり、防犯協会や警察等の関係機関と連絡を取り合いながら、今後も子供たちの安全確保に努めてまいる考えでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 防犯組織は、地域に浸透し十分に機能を果たすことが大切、地域の横の連携を図りながら、万一のときに役に立つ組織づくりに努めていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 次は、バス廃止路線の児童・生徒の登下校への影響について。 市内の生活バス路線が諸事情により段階的に廃止になっております。高齢者や児童・生徒にはそれなりの影響があったのではないかと存じますが、市内バス廃止路線で児童・生徒の登下校に影響を及ぼした路線が何路線あったのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成17年度以降廃止されたバス路線で申し上げますと、児童の登下校に影響を受けたのは3路線でありまして、平成17年度の小野新町・高部線の廃止、平成18年度の植田・天の川線の廃止、平成19年度の四倉・谷地線の廃止により、川前小学校、田人第一小学校、久之浜第一小学校の児童に影響がありました。 ◆4番(森田ミエ子君) その影響の内容は、主にどのようなことだったのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) バス路線廃止の時点におきまして、川前小学校の児童6名、田人第一小学校の児童4名、久之浜第一小学校の児童8名、この児童の登下校がそれぞれバスから自家用車での送迎等に変わってございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 登下校に影響を及ぼした廃止路線に対し、関係当局としてどのような積極的対応をされたのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市におきましては、現在、一定距離以上の遠距離通学をしている児童・生徒に通学費を補助しております。バス路線廃止により児童の登下校の手段が自家用車での送迎等に変わりましても、引き続き通学費の補助の対象としているところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) バスの廃止により交通手段がなくなれば、場所によっては保護者の送迎の負担、経済的負担等もあったのではないかと思われますが、廃止による保護者負担の実態把握はどのようになさっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) バス路線が廃止となり公共交通機関がなくなった場合、登下校の手段が徒歩や保護者による自家用車での送迎になりますことから、保護者の送迎にかかる時間的な制約等が負担になることが想定されております。 ◆4番(森田ミエ子君) 地区によっては、児童・生徒の登下校の交通確保のため、住民や交通事業者が一体となって市の地域交通ステップアップ支援事業を活用し、四倉地区等におきましては、相乗りタクシーふれあい号の導入など好評だと伺っております。社会実験期間の前期は無償、後期は有償だったようですけれども、子育て支援の観点からも、こういった方策の支援の継続・拡大が必要と思われますが、御所見をお伺いいたします。 ◎都市建設部長(高島信夫君) 本格運行に向けての支援につきましては、現在実施しております地域交通ステップアップ支援事業の検証結果を十分踏まえるとともに、道路運送法の規定に基づき、来年度設置を予定しております地域公共交通会議での議論を踏まえ、本市が目指すべき公共交通の方向性や、市民・交通事業者・行政などの関係者それぞれが担うべき役割を明らかにしながら、今後の公共交通施策の指針となる公共交通ビジョンの素案づくりの中で検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 人口減少・高齢化社会の到来からして、道路事情の変化に応じて交通関係利用状況等十分把握した上、市民サイドの対応策をおろそかにしないよう強く要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。 大きな質問の2点目は、男女共同参画センターの実態についてであります。 男女共同参画センターの設置目的達成の検証についてでありますが、平成17年4月より、総合保健福祉センター内に男女共同参画センターが設置されました。設置に当たりましては、長年の女性の希望もあり、多くの市民の期待も大きかったかと思います。設置当初は、1日数本の市内循環リボンバスが運行され、利用者の足も確保されていました。現在、バスの運行はないとのことです。設置3年にして当初の目的達成率をどのように検証しているのか。設置に当たりましては、仏つくって魂入れずにならないようにという要望もしたかと存じます。3年目にして魂は入ったのかどうかをお尋ねします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 男女共同参画センターにおきましては、総合保健福祉センター内の多目的ホールを利用したシンポジウムの開催や、会議室・調理室等を利用したライフステージ別の講座の開催など、複合施設としての特色を生かした事業を展開するとともに、男女共同参画を推進している団体の皆様を対象とした研修会の開催や情報発信の場の提供などにより、その活動や交流を支援しているところでございます。 また、オープンスペースの利便性を生かし、総合保健福祉センターを利用される方々を初め、男女共同参画を推進している団体の皆様や講座などを受講された方々など、多くの皆様にお立ち寄りいただき、市民の皆様に近い目線で情報の発信等に努めているところでございます。 今後とも、男女共同参画社会の実現に向け、啓発、人材育成、情報収集・提供、活動・交流支援の4つの機能のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その利用実態についてお尋ねいたします。男女共同参画センター利用団体の実態はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 主に、男女共同参画を推進している団体の皆様などに、情報の収集や活動・交流の支援といった先ほど申し上げた機能の中で御利用をいただいていると受けとめております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、市内公民館等で減免措置を受けている社会教育団体登録数は何団体あるのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成19年4月1日現在で申し上げますと、青少年教育に取り組む団体のほか、スポーツ、レクリエーション、芸術・文化活動に取り組む団体等、合計で1,411の団体が社会教育関係団体として登録されております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、ただいま登録団体が1,411あるという御答弁をいただきましたが、登録団体の中で、男女共同参画センターを利用している団体はどのぐらいあるのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) ただいま教育委員会から、社会教育関係団体として登録されている団体の数の答弁があったわけでございますが、その団体のうち、男女共同参画センターを利用している団体は6団体となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) 会議・研修会・講演会の開催等、各種団体が男女共同参画センターを利用する場合、総合保健福祉センター内の会場使用申し込みの手続は、男女共同参画センターが申請を受理し、所長の決裁で許可が出せるのかどうかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 総合保健福祉センター内に男女共同参画センターを設置しているところでございますけれども、男女共同参画センターだけの施設ではございませんので、所長の権限において貸出可能というような部屋につきましては、余り大きな部屋ではございませんけれども、センターに附置されている小さなスペースを、所長の権限の中で御利用いただいているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、総合保健福祉センターにおいて、男女共同参画センター直轄で利用可能なスペースというのはどのぐらいあるのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 直轄と申しますか、男女共同参画センターの事務室に隣接しております部屋が専ら利用可能なスペースでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 私が拝見しましたところ、あの奥の昔の相談室を、仕切りをとってお使いになられているのかなと。それがいわき市の男女共同参画センターとして位置づけ、他の市町村の視察等いたしましても、余りにも35万人切りましたけれども、人口の中で、もう少しレベルの高いセンターの運営の方法があってもいいのではないのかなと思います。 そこで、市民の方から男女共同参画センターに対して、交通の便が悪い、使用可能なスペースが少ない、コピー機等も、もちろん有料ですけれども設置されていない、表示がわかりにくいなど、もろもろの市民の声をお聞きいたします。3年が経過いたしまして、男女共同参画センターへの市民意識をどのように把握しているのかお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) もとより男女共同参画センターは、御答弁申し上げましたように独立した専任と申しますか、それだけの施設ではございませんので、その意味での制限はございますけれども、逆に複合施設としての有利さといったものを生かしながら、多くの方にお立ち寄りいただいているところでございまして、専ら男女共同参画を推進している団体の方々からのみではなくてお立ち寄りいただいた方々などからも御意見を伺いましたり、あるいは、センターが実施しております各種講座などで御意見をいただいているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、男女共同参画センターの今後のビジョンについてお伺いいたします。男女共同参画センターの利活用のターゲットは女性だけではありません。高齢社会の中、交通の便も確保されていない状況下において、男女共同参画センターとしての十分な機能が果たせているのかどうか。私はいささか疑問に思います。いわき市としての今後の運営の方向性をお示しください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 現在の男女共同参画センターは、より市民の皆様に近い目線で情報提供や人材育成、意識の醸成などを推進するほか、女性団体を初め、市民の皆様が気軽に訪れることのできる交流の場づくりとして設置したところでございます。今後におきましても、立地の特性や複合施設としての特徴を生かしながら、男女共同参画社会の実現に向けまして、さまざまな施策の展開に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 私は、男女共同参画センターの進捗状況が停滞しているのは、男女共同参画社会というものに対する認識がまだまだ薄いのかなと。そこで、いわき市における男女共同参画社会形成への展望でございます。男女共同参画基本法においては、男女が社会の対等な構成員として、みずからの意思によって社会のあらゆる分野において活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的・経済的・社会的及び文化的利益を享受し、かつともに責任を担うべき社会の形成と基本法にはうたわれております。権利の主張の陰には必ず義務と責任があるということも確かです。また、そうした義務と責任を主とした施策の展開でなければなりません。 今後、育児や介護、経済的・社会的基盤を考えたとき、女性の役割は重要だと思います。家庭教育の崩壊が話題になりますが、子育ての根幹は女性であり、ともに人権を尊重し、思いやりの心を持つ家庭の人間教育ではないでしょうか。少子化の問題は、もちろん経済的な支援も大切です。しかし、女性が主に担っている子育ての負担を軽くし、仕事と育児の両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスのできる社会的構築こそ、少子化対策の根幹ではないでしょうか。権利の主張には必ず義務と責任も伴います。そうした自覚を持った施策の展開、真の意味での男女共同参画社会の施策の展開こそ家庭教育の回復であり、よりよい少子・高齢化社会を維持できるポイントがそこにあるのではないかと思います。 そこで、国・県、他市の施策の動向からして、いわき市の男女共同参画社会に対するお考えをお示しください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 人口の減少や少子・高齢化の進展、さらには、個人の価値観が非常に多様化している中にありましては、これからの社会をつくるキーワードはユニバーサルデザインの実現でありますとか、あるいは、男女共同参画社会の実現といったものが必要不可欠であると考えております。したがいまして、これまで築き上げてきた関係機関や団体の皆様とのネットワークを強化し、例えば、仕事と生活の調和、先ほど議員がおっしゃられましたいわゆるワーク・ライフ・バランスの推進といった時代のニーズについても的確に把握しながら、それこそ協働による男女共同参画社会の実現に向けた施策の展開を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆4番(森田ミエ子君) ぜひよろしくお願いいたします。執行部の日ごろの努力に御礼を申し上げ、来る新年度も市民の視点に立った市政執行をお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで午後3時30分まで休憩いたします。            午後3時21分 休憩           ------------            午後3時30分 開議 △蛭田源治君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番蛭田源治君。           〔1番蛭田源治君第二演壇に登壇〕 ◆1番(蛭田源治君) (拍手)1番いわき市議会志政会の蛭田源治でございます。 週末の今の時間帯になりますと、お互いに疲れがピークになってくるかとは思いますけれども、1週間の最後の締めとして元気よく質問いたしますので、元気のある答弁をよろしくお願いいたしまして、以下、通告順に従いまして会派を代表して市政に対する一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、市税等の滞納問題についてであります。 国の三位一体の改革により税財源が国から地方へ移譲されましたが、それ以上に地方交付税が削減されており、国の財政難のツケを地方に回しているといっても過言ではありません。このような状況は現在も続いており、地方交付税はこれまでの抑制基調により大幅な増加が期待できない中、市税等の貴重な自主財源を確保することは、これまで以上に、市政の運営上非常に重要なことであります。 最近、新聞などで各自治体が徴収する税の滞納問題が多く報道されていますが、本市ではどうなのか大変気になるところでございます。本市の市税等の滞納問題について、納税義務と税負担の公平性の観点に立って質問を進めていきたいと思います。 1点目の質問は、本市の市税等の滞納の現状についてであります。 まず、本年度に繰り越した滞納額についてお示しください。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成19年度に繰り越した滞納額は、市税が約43億1,362万円、国民健康保険税が約48億3,804万円、合わせますと約91億5,166万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 改めて多額であると感じるところでございますが、次にその市税の滞納額の内訳はどのようになっているかお伺いいたします。 ◎財政部長(陸川克己君) 市税の滞納額の内訳といたしまして、滞納者数・滞納金額の多い税目について申し上げますと、個人市民税が滞納者数1万4,014人で約10億1,576万円、都市計画税を含む固定資産税が滞納者数7,693人で約30億8,892万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 滞納する方は何かしらの理由があって滞納するのかなと思いますが、その滞納する理由としてはどのような理由が多いのかお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 徴税吏員が、個人市県民税、都市計画税を含む固定資産税、軽自動車税及び国民健康保険税の主要4税目につきまして、納税指導や滞納処分の調査におきまして把握した主な理由について、件数の多い順に申し上げますと、納税意識の低下、家族数に対して収入が少ない、収入が不安定、多重債務者であるなどの順となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、滞納する滞納者の年代層はどのようになっているか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成18年度決算での主要4税目の現年度分における各年代別の課税人員に占める滞納している方の割合で申し上げますと、20歳未満が11%、20歳代が17.1%、30歳代が14.8%、40歳代が12.9%、50歳代が11.0%、60歳代が6.9%、70歳以上が6.1%となっており、若年層における滞納の割合が多い傾向となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、市税等滞納している滞納者への催促の方法はどのようにしているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 納期限までに納税されない場合におきましては、地方税法の規定に基づき税目及び納期ごとに督促状を発送しておりますが、それによっても納付に至らない場合は、文書や電話、臨戸訪問による催告を行っております。 ◆1番(蛭田源治君) いろいろな方法で催促しているのはわかりました。 それでは、平成19年度の徴収の状況はどのようになっているかお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 一部の大都市を除き景気の回復は余り実感できないという経済情勢の中、税制改正による個人市民税の課税額増の影響なども加わりまして、徴収の環境は全国的に見ましても非常に厳しい状況にございます。そのような状況から、本市の市税全体に係る1月末現在の徴収率につきましても、昨年の77.2%に対して本年度は76.6%と0.6ポイント悪化している状況であります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、2点目の質問は、滞納した市税等の滞納処分・欠損処分についてお聞きいたします。 まず、決算時における収入未済の取り扱いはどのように処理しているのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 決算時において収納に至らなかった市税等のうち、地方税法の規定によりまして徴収権及び納税義務が消滅しているものにつきましては、いわき市財務規則等に基づく不納欠損の処分を行い、当該欠損金を除いた収入未済額を翌年度へ繰り越すこととしております。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、市税の滞納の欠損処分の内容について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 平成18年度の決算ベースで申し上げますと、低所得により生活が困窮しているなどの理由により滞納処分の執行停止が3年間継続したものが3,386件で約5,254万円、事業の失敗や破産等により徴収できないことが明白であるとの理由により、執行停止期間を3年間継続させることなく直ちに納税義務を消滅させたものが2,146件で約3億4,234万円、生活の困窮等による滞納処分の執行停止期間中に徴収権が消滅時効となったものが9,898件で約1億4,113万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、国民健康保険税の滞納の欠損処分の内容について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 同じく平成18年度の決算ベースで申し上げますと、滞納処分の執行停止が3年間継続したものが4,458件で約1億2,357万円、執行停止を3年間継続させることなく直ちに納税義務を消滅させたものが887件で約2,881万円、生活困窮などによる滞納処分の執行停止期間中に徴収権が消滅時効となったものが1万2,045件で約3億5,364万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 欠損処分の内容は大体わかりました。 それでは、市税の不納欠損の過去3年間の処分額についてお示しください。 ◎財政部長(陸川克己君) 市税の滞納額のうち不納欠損額を申し上げますと、平成16年度が約3億9,371万円、平成17年度が約3億6,828万円、平成18年度が約5億3,601万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 若干ふえてきているようでございますけれども、次に、国民健康保険税の不納欠損の過去3年間の処分額についてお示しください。 ◎財政部長(陸川克己君) 同じく、平成16年度が約4億2,419万円、平成17年度が約4億9,464万円、平成18年度が約5億602万円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 毎年大きな額を処分していると感じております。本市の予算案には、一般財源の確保が極めて厳しい状況にあるとあります。そして、一部の基金の取り崩しをして予算編成に当たっているとのことでありますが、市税の滞納が本市の財政に及ぼす影響についてお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 市税の滞納は一般財源の減少ということとなるものでございます。その結果、歳出の削減によりその分の財源を生み出すなどの対応をせざるを得ないなど、本市の財政運営をより一層厳しくするものと考えてございます。 ◆1番(蛭田源治君) 国民健康保険税も毎年大きな額を処分しているわけでありますが、この国民健康保険税の滞納が本市の保険事業に及ぼす影響についてお聞かせください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 国民健康保険事業の運営に当たりましては、保険給付費などの医療需要に見合った財源を確保する必要がございます。その主なものは、国・県支出金及び被保険者が負担する国民健康保険税となっております。国民健康保険税の滞納は、被保険者間の税負担の公平性を欠き、税収の減を招くほか、収納率が国の定める率を下回っている本市におきましては、普通調整交付金の一部が減額されるなどの影響が生じているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、予算編成時には滞納繰越分をどのように計上するのかお伺いいたします。 ◎財政部長(陸川克己君) 毎年度の当初予算におけます滞納繰越分の歳入額につきましては、予算編成時点の滞納繰越見込み額に過去の実績を踏まえた徴収率を乗じて、より実態に即した収入見込み額を計上することとしております。 ◆1番(蛭田源治君) 市税等の滞納の現状や滞納処分・欠損処分についてお聞きしてきましたが、財政に及ぼす影響、また、保険事業に及ぼす影響も多くあるようでございます。本市の安定的財政運営には税収の確保は絶対欠かせないものでありますし、また、公平な税負担の観点からも市税等の徴収対策は大変重要であると考えております。 そこで、3点目は市税等の滞納解消対策について伺っていきます。 まず、現在の滞納解消対策についてお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 滞納解消対策といたしましては、文書や電話による催告のほか、納税交渉の機会をふやすための日中・夜間及び休日の臨戸訪問や、法の規定に基づく滞納処分としての財産の差し押さえを実施しております。また、自主納付の推進のため利便性の向上対策としての休日納税相談窓口の開設や広報などを活用して口座振替による納税の勧奨を行っているところであります。 ◆1番(蛭田源治君) ただいまの答弁の中にありました法的措置の具体的内容について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 滞納解消対策としての法的措置といたしましては、給与、県税・国税の還付金、預貯金、生命保険などの債権のほか、自動車等の動産、電話加入権及び不動産の差し押さえ、公売・換価等の滞納処分ということになろうかと思います。 ◆1番(蛭田源治君) 新聞報道などによりますと、各自治体で滞納徴収対策として差し押さえ等の法的措置が急増しているとありましたが、本市の過去3年間の法的措置の実施状況についてお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 法的措置としての差し押さえの実施状況ということになりますが、平成16年度は836件、平成17年度は1,095件、平成18年度は1,325件となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 年々そういった法的措置の実施がふえているようでもございます。これまでもさまざまな滞納解消対策を実施しているようでございますが、それでも毎年多額の滞納税が発生している状況だと認識しております。そもそも滞納税は、本来納付されるべき税でありまして、滞納分がきちんと徴収されれば、当然ながら、貴重な自主財源としてその分を予算に充てることができますので、滞納の解消は大変重要であると思っているところでございます。 そこで、今後の滞納解消対策についてお伺いいたします。 ◎財政部長(陸川克己君) 今後の滞納解消対策につきましては、納税における公平性を確保するため、臨戸訪問のより効率的な実施などにより納税交渉を強化するとともに、より効果的な手法により滞納処分を行ってまいりたいと考えております。また、新規滞納の発生を防止するため、納税者の皆様の利便性を向上させるなど、納税環境の整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 今までも、市当局では滞納解消に苦労しながら努めてきたと感じておりますが、このまま滞納額が多くなりますと税負担の公平性が損なわれますし、正常な納税者の不公平感・不満感が出てくることも危惧されます。さらに、本市の自主財源の確保や市政運営上の影響についても心配されるところでもございます。今後も、市税等の滞納解消に向けて徴収嘱託員をさらに充実させるなどその体制を整え、さらに努力していただきたいと思っております。また、滞納者の生活や精神面にも配慮いたしまして、納税の相談にも十分に応じながら徴収に当たっていただきたいとも思っております。 さて、平成20年度の行政経営の視点を取り入れたまちづくりの中に、市税等コンビニ納付整備事業とありますが、この事業の内容についてお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 納税者の皆様の利便性の向上を図り自主納付を推進することを目的といたしまして、平成21年度から、個人市県民税、都市計画税を含む固定資産税、軽自動車税及び国民健康保険税の主要4税目についてコンビニエンスストアでの納付を可能とするため、平成20年度において電算システムなどの改修を行おうというものでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、この納付で、市税等の収納はどの程度の利用を見込んでいるのか伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 市税等の納付におけますコンビニエンスストアの利用見込みにつきましては、現時点での算出はなかなか難しい部分はあるわけでございますが、いわき市水道局の実績から推計いたしますと、実施初年度におきましては、対象となる主要4税目の納付件数ベースで約110万件のうちの19%、件数にして約21万件程度の利用があるものというふうに考えてございます。 ◆1番(蛭田源治君) 市税等がコンビニで納付できるようになりますと、平日で時間が制限されている金融機関での納付が困難であった納税者も、今度は曜日や時間帯を気にせずとも納付が可能になりまして、また、なかなか納付に行けないなどの大きな滞納の理由がなくなり、そして、身近なところで納付できるようになることは大きな市民サービスでもあるかと思います。このような事業を利用しまして、市税等の徴収率が少しでも向上しますよう期待いたしまして、次の質問に移ります。 次の大きな質問は、国民健康保険被保険者証について伺います。 本市の国民健康保険被保険者証、いわゆる保険証、これがそうでありますが、このように紙でできていまして、1つの世帯で国民健康保険に加入している方全員がこのように1枚に記載されておりまして、1世帯に1枚の交付になっているところでございます。以前は、どの健康保険に加入していてもこのような1世帯1枚の被保険者証でありました。しかし、厚生労働省の省令で平成13年4月からカード様式の被保険者証を準備が整った保険者から順次交付することとされ、そして、家族1人に1枚ずつの被保険者証が発行されるようになりました。こういう1枚ずつのものがそうなんですが、社会保険やそれぞれの健康保険組合などではカード化への移行が進んでいるようでございます。本市の職員の皆さんの被保険者証もカード化し、それぞれ1人1枚ずつ持っているかと思います。皆さんに聞きますと、財布の中に免許証と一緒に入れていたりと、そのようなことで1人1枚ずつカードで持っているかと思います。 この被保険者証が1人1枚ずつの発行になりますと、同じ時間帯でも家族が別々の医療機関で同時に受診できること、それから旅行先や勤務先に持っていけること、学生などで遠隔地に一時的に住まわれる方の遠隔地などの特別扱いが不要になり、また、ほかのカード類と同じ大きさなので、コンパクトで携帯に便利などの多くのメリットがございます。 私も以前勤めていたころは、このように家族に1人1枚の被保険者証を子供たちにもやっていて、大事に持っていてもらいまして大変便利であったわけですが、国民健康保険に加入してからは、今度は家族で1枚となり大変不便を感じているところでございます。各市町村扱いの国民健康保険でも被保険者証のカード化が進んできているようでありますが、本市での国民健康保険被保険者証のカード化について何点か質問をいたします。 まず、本市で国民健康保険に加入している世帯数についてお示しください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 国民健康保険の加入世帯数は、平成20年1月31日現在で6万9,310世帯となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、本市で国民健康保険に加入している市民の方は何人いるか伺います。
    市民協働部長(鈴木英司君) 同じく平成20年1月31日現在で申し上げますと、12万6,167人となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 国民健康保険でも被保険者証のカード化が進んできているようでございますが、既にカード化している県内のほかの市の状況についてお聞かせください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 県内の他市における国民健康保険被保険者証のカード化の状況につきましては、旧原町市が平成13年度から、平成19年度からは福島市・伊達市・田村市・相馬市が導入いたしておりまして、13市中5市となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 本市と同じ中核市の状況についてはどうなのか伺います。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 中核市におきましては、35市中15市がカード化を実施いたしております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、本市で国民健康保険被保険者証をカード化した場合、その費用の概算は幾らになるのかお聞かせください。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 被保険者証のカード化に伴う費用につきましては、カードの材質や交付方法などにより異なりますが、多くの先行市におきましては、経済性や加工が容易であることなどの理由によりまして、台紙を用いたカードを採用しております。同じような方法でカード化した場合、新たな機器の設置やシステム改修等導入経費といたしまして、おおむね1,000万円程度が見込まれるところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) 既にカード化した被保険者証の材質はこのようなプラスチック製が多いようでありますが、北海道の釧路市のように、被保険者本人と家族合わせて約6万人を対象に被保険者証をラミネート加工したカードにして、費用は大体50万円程度だったという例もあるようでございますので、ほかの市の状況もぜひ調査して参考にしていただきたいと思います。 さて、本市では国民健康保険に加入している世帯数は、さきの答弁では約6万9,000世帯と本市の世帯数の半数以上になっているようでございます。被保険者証をカード化することは先ほど述べましたように多くのメリットがあり、市民の方の利便性が図られると思いますが、この項目最後の質問としまして、市民の方へのサービス面から、本市で国民健康保険被保険者証、いわゆる保険証をカード化することについてどうお考えか御所見をお伺いいたします。 ◎市民協働部長(鈴木英司君) 被保険者証をカード化した場合、議員のお話しにありましたように被保険者一人一人が被保険者証を携帯することが可能となりまして、同じ世帯の方でも異なる医療機関を同時に受診できるようになることや、市外に居住する方の遠隔地被保険者証が不要になることなど、被保険者の利便性の向上が図られるものと考えておりますことから、カード化に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 多くの市民の方の利便性を考えまして、被保険者証のカード化をぜひ実現することを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。 次の大きな質問は学校給食についてであります。 学校給食は、古くは明治22年に、山形県鶴岡市の小学校で貧困児童を対象におにぎりを配ったのが最初とされていますが、今の学校給食法が施行されたのは1954年、昭和29年で折しも私の生まれた年であります。食料不足や貧困による栄養摂取不足を防ぎ、最低限の栄養価をすべての子供が摂取できるようにとの目的でありました。しかし今は、その目的であった栄養改善は既に達成しているとして、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、学校給食法の目的について、栄養改善から食育への転換を目指すよう文科相に答申したとのことであります。 この学校給食法が改正されるとなると、施行されて以来、半世紀以上たって初めてのことになります。今から3年前に食育基本法が施行されましたが、学校給食法では食育についての指導を示していませんので、より実態に合った、そして食育基本法と整合性のとれた内容になってくると思っているところであります。 このような国の動きの中、福島県教育委員会では、学校給食を活用した食育や地産地消の推進に向け、地域ぐるみで取り組む体制をつくるとして食育推進モデル地域事業を県内各地区ごとに始めたようでありますが、1点目の質問は、この食育推進モデル地域事業について伺っていきます。 まず、この事業の内容についてお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 福島県の事業であります食育推進モデル地域事業は、食育を推進するために、学校給食共同調理場を核としてモデル地域を指定し、各学校、学校給食共同調理場、地域の関係機関及び栄養教諭等の連携によります食育推進のネットワークを構築いたしますとともに、地域の教育力を活用しながら学校における効果的な食育のあり方について検証し、広く浸透させていくことを目的とした事業でございます。また、平成19年度のモデル地域といたしましては、平南部学校給食共同調理場エリア12校、勿来学校給食共同調理場エリア14校、小・中学校合わせて26校がこの事業に参加しているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、この事業を推進する市内の連絡会議の内容について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 食育推進モデル地域事業連絡会は、学校給食共同調理場を初め、生産・流通関係者、学校の食育担当者、いわき市農林水産部、いわき農林事務所、いわき教育事務所などがメンバーとなっております。主な取り組みといたしましては、食育を推進するための地域のネットワークをどのように構築していくか、また、食育推進に当たってどのような取り組みを進めるべきかなどを検討しております。 ◆1番(蛭田源治君) この県の事業では、県内モデル地区の12の学校給食センターのうち、本市では2、そして県内79のモデル校のうち、本市では実にその3分の1に当たる26校とありますが、この市内26のモデル校ではどのようなことをしていくのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 具体的に申し上げますと、各学校給食共同調理場が作成する給食だよりなどの食の情報発信による食育の普及啓発を初め、親子郷土料理教室の開催や朝御飯の欠食率ゼロ運動への取り組み強化、また、スーパーマーケットでの食育体験ツアーなど、栄養教諭を中心として事業を展開し、食育の推進に努めているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) この事業では、学校給食を活用した食育や地産地消の推進とありましたが、今後、学校給食を活用した地産地消についてはどのような取り組みをしていくのかお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 本事業における学校給食での地産地消につきましては、本年度の協議内容を踏まえまして、今後、給食に使用される地場産品の利用拡大や、食材の使用品目をふやすための方策等について協議を行っていく予定であるとされております。 ◆1番(蛭田源治君) 2点目の質問は、学校給食における地産地消の拡大について伺っていきます。 地産地消とは、皆さん御承知のとおり地元生産・地元消費を略した言葉でございまして、地元で生産されたものを地元で消費するという意味でありまして、特に、農林水産業の分野で多く使われております。地産地消は現代の言葉でありますが、これと同じような意味で古くから身土不二という言葉があります。調べたところ、この身土不二という言葉は、14世紀の中国の仏教書「廬山蓮宗寶鑑」の中に登場し、意味としては、身体と土は1つであるとして、4里四方くらいの身近なところで育ったものを食べ生活するのがよいとする考え方だそうでございます。 国の食料・農業・農村基本計画では、地産地消とは、地域で生産されたものを地域で消費されるだけでなく、地域で生産された農産物を地域で消費しようとする活動を通じて、農業者と消費者を結びつける取り組みであり、これにより、消費者が生産者と顔が見え話ができる関係で地域の農産物・食品を購入する機会を提供するとともに、地域の農業と関連産業の活性化を図ることと位置づけております。産地から消費するまでの距離は、二酸化炭素ガスなどの温室効果ガスの排出量の削減や輸送コスト、また、鮮度や地場農産物としてアピールする商品力、そして、子供が農業や農産物に親近感を感じる教育力、さらには、地域内の物質循環といった観点から見て、近ければ近いほど有利であると考えられております。また、消費者と産地の物理的距離の短さは、両者の心理的な距離の短さにもなり、消費者の地場農産物への愛着心や安心感が深まるところでございます。それが地場農産物の消費を拡大し、ひいては地元の農業を応援することになり、さらに、高齢者を含めて地元農業者の営農意欲を高めさせ、農地の荒廃を防ぎ、食料自給率の向上にもつながることになると思っております。私は、地産地消は、教育や文化の面も含んだ多様な側面を有しており、柔軟性や多様性を持った地域の創意工夫を生かしたものになることが必要であると感じているところであります。 ところで、皆さんは緑ちょうちんを御存じでしょうか。一杯飲み屋の赤ちょうちん、この赤が緑なのが緑ちょうちんなんです。これは、飲食店が使う食材にできるだけ多くの国内産農林水産物、中でも地場産を優先的に利用し、店頭にはそのあかしとして赤ちょうちんならぬ緑ちょうちんを掲げるということでございます。安全を象徴するこの緑色のちょうちんを掲げる運動は3年前に札幌で始まり、南下するように全国に広まりまして、熊本にもその店が誕生したそうでございます。緑ちょうちんの店は全国でまだ100軒程度だということでございますが、店の種類は、大衆向け酒場から農産物直売所が併設する食堂、そして大都市の高級飲食店まで多種多様であるとのことでございます。しかし、地場産を優先的に利用し、その地域でとれない食材や珍しい食材は国産を調達するという方針は共通しているようでございます。このようなことは、中国産冷凍ぎょうざ事件があった今、改めて食の安全・安心を痛感し、生産者の顔が見える地元産の食材に消費者の目が大いに向けられている1つの例であると思っているところでございます。近いうちにここいわき市内にも緑ちょうちんの店がお目見えしまして、そこで一杯ということになるかもしれません。ひとつ御紹介しておきます。 今、市内では、農産物などの直売所がふえてきておりまして、どこもにぎわいを見せているようであります。山のほうから、海のほうから、中心市街地でもそういうものがどこでもにぎわいを見せているようでございますが、こういうことは大変喜ばしく思っているところでございます。これは、生産者と消費者、両者の距離の短さと対面コミュニケーションの効果です。そして、消費者の食の安全・安心への関心の高さのあらわれであると思います。このにぎわいと関心がますます大きくなりますよう、広くPRも含めた行政のバックアップをお願いするところでございます。 さて、2点目の質問は、学校給食における地産地消の拡大についてであります。 さきの質問では、学校給食を活用した地産地消の推進内容と取り組みについてお聞きしましたが、ここで、本市の学校給食において、市内で生産された農畜産物の使用状況の過去3年間の割合はどのようになっているかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食に使う米につきましては、100%地元産を使っております。そのほか野菜など、主要な食材の地場産物の使用につきましては、平成16年度が26.2%、平成17年度が31.2%、平成18年度が31.1%となっております。なお、生鮮野菜等につきましては、これまでもいわき産のものを優先して納品してくれるよう各納入業者に依頼するなど、地産地消に努めているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、学校給食の食材で、地場産物の使用割合を上げるのに課題となるのは何か伺います。 ◎教育部長(山田満君) 本市におきましては、1日約3万5,000人の児童・生徒へ給食を提供しておりまして、年間を通した食材の安定供給と低廉な価格の維持が基本であり、そのためには、納品までの新たな流通ルートづくりや、献立と連動した作付品目や生産時期の調整、また、価格や納品手法など、生産農家等との綿密な調整などを行う新たな仕組みが必要であると認識しております。 ◆1番(蛭田源治君) 課題の多くは、関係者同士が協力し合えば解決できるのかなと思われます。よろしくお願いします。 最近、地産地消に似ており、食料自給率の向上や食育の推進などの面でフードマイレージの概念が注目されております。このフードマイレージとは、食料の輸送距離という意味でございまして、フードマイレージが大きければ大きいほど食料品の輸送によるエネルギーが多く使われ、また、二酸化炭素ガスなどの温室効果ガスを多く排出したりと環境に大きな負荷を与えることになると言われております。農林水産省の試算によりますと、日本のフードマイレージは総量では世界じゅうで群を抜いて大きく、国民1人当たりでも世界1位となっているようでございます。これについては、現代の日本人は、歴史上のどの時代におけるどの国の王侯貴族よりもぜいたくな食事をしていることになっていると農林水産省の幹部が解説しているようでございます。 少し話が飛躍しましたが、地場産品を使用すれば、農産物生産の基礎となる農地や農業用水を初め、農村の環境や美しい景観の維持にもつながるものと思っているところでございます。そのような環境面からも、地元で生産された農畜産物の使用割合をふやすべきと思いますが、今後の考えについてお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 議員おただしのように、産地から距離が近いということは、輸送コストや鮮度、環境面への負荷などの面で有利でありますとともに、子供たちが地場産物への愛着心を深めるよい契機なるものと考えております。このようなことから、今後、関係部局や関係団体等と連携を図りながら、地場産物の利用拡大が図れるような仕組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 先ほどの私の質問で、本市の米飯給食で使用している米は100%市内で生産された米であるとの答弁がありました。まさに完全な地産地消なわけですが、米飯給食の回数はといいますと、本市の小・中学校とも週に3回でございます。ここで、県内の状況はどうかと調べますと、県内小学校534校のうち週3回が423校、全体の約79%、週3.5回から5回が111校、約21%、中学校220校のうち週3回が176校、全体の約81%、週3.5回から5回が41校、約19%でありました。さきに述べました中央教育審議会が文科相に学校給食法の転換を答申した内容には、今後の施策でも米飯給食の普及啓発が重要とあります。現在、米は過剰で、農業関係では米の消費拡大に大変力を入れているところでございます。また、学校給食を食べている本市の児童・生徒に米飯給食は大変好評でありまして、この回数をもっとふやしてほしいとよくお聞きしますが、今後、本市で米飯給食の回数をふやすことの考えをお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 米飯給食の回数をふやすことにつきましては、議員御指摘のとおり、米の消費拡大や地産地消にもつながりますことから、平成17年度に週2回から3回にふやしたところでございます。さらに、米飯給食の回数をふやすことにつきましては、今後、さまざまな課題を整理しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、米飯給食の回数をふやすことの課題があればお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食は、さまざまな食材を好き嫌いなく食べられるようになることも重要なテーマでございます。主食における米飯の比率が上がることにより、栄養的なものや献立のバランス等への影響を検証する必要もあるものと考えております。また、現時点におきまして1食当たりの単価を比較しますと、パン・めんよりも米飯のほうが高いという状況にあり、回数をふやすことによりまして給食費への影響も考えられます。 このことから、米飯給食の回数をふやすことにつきましては、給食費や他主食のバランス等を考慮し、保護者や児童・生徒の意向なども踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 食材のコストでは、パンやめんの原料であります小麦の価格が世界的に値上がりを続けておりまして、ことし4月、来月から30%の大幅値上げになるとの農林水産省の発表が先日ありました。今後、まだまだ価格が上がることも予想されておるところでございます。小麦は日本で現在約90%を海外から輸入しております。先ほどのフードマイレージの距離が大変大きくて、環境に対して大きな負荷を与えているわけであります。これに対して、本市では良質のおいしい米がたくさん生産されています。そして、パン食には合わないおかずがありますが、御飯はどんなおかずにも合います。 最後の質問となってきましたが、そのようなコスト面からも、地産地消の面からも、そして米の消費拡大の面からも、さらには地球規模の環境の面からも、本市の米飯給食の回数をもっとふやすべきと思いますが、地産地消に大変造詣の深い櫛田市長のお考えをぜひお聞かせください。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 学校給食は、食事という生きた教材を通しまして、食事に関連した知識を総括できる機会でもございます。それと同時に、自然に対する恵みや、農作業に対する労働に感謝する心を醸成することが期待されております。そしてまた、ちょうど今の時期よりももっと前でありますけれども、世界の国々で、日本食、和食というものが健康上非常にすばらしいという評価を受けて久しいわけであります。これを実感しないうちに、現代の食料事情の問題が発生しているわけでありますから、これはいわき市にとりましては、農業の振興策にいい機会を得たものと側面では考えることができます。 このことを踏まえますと、学校給食において、いわき市で生産されたお米をたくさん食べるということは、いわき市に対する郷土愛をはぐくむとか、また、ふるさとの味を理解したり、日本型食生活を見直す大変すばらしいよいきっかけとなることなど、米飯を中心とした食生活実現のために重要なことだと認識しております。 このことから、米飯給食の回数でありますけれども、現在週3回実施しておりますが、先ほど教育部長が答弁いたしましたとおり、さまざまな課題がございます。米だけでは食べられない。おかずも必要、みそ汁もということになるわけでありますから、3万何千食を同時に使う場合は、やはり、個々別々の生産体制では間に合わない部分も出てまいります。これからの課題としては、そういった供給の面も同時に進めていかなければいけない問題でありますが、いずれにいたしましても、先ほど議員おただしの中にありましたけれども、日本の食料は距離の遠いところ、外国依存が非常に多いわけでありますので、これは昔だったら農家の裏庭に行って、裏の畑に行ってホウレンソウをとってきてそのまま食べるとか、そういう一番距離の近いところからとってきたことを思い出しますけれども、こういうさまざまなことをクリアしながら、真剣に取り組まないといけない問題でありますので、教育部長の答弁のとおりいろいろな問題があろうかと思いますが、これをクリアしながら前進させていきたいと思っておるところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) 大変前向きと感じとっていいのでしょうか。前向きな答弁ありがとうございました。 今、地産地消、それから米飯給食の拡大、そういったことをずっと質問してきましたけれども、ぜひ本市にはこれだけ本当にいい米がたくさんあるわけでございますので、市内の小・中学校の児童・生徒にたくさん食べてもらいたい。生産している農業者の立場からも、私はそう思っているところでございます。 そして、地産地消、今、市長の答弁の中にもありましたように、できるだけ近いところのいい新鮮なものを、今回の議会では中国産ぎょうざ事件に端を発した海外の食料の問題、多くの質問がございましたけれども、そういったことからも、学校給食におきましてもぜひ地元のものをこれからたくさん使用して、子供たちにも地元産にはこういうものがあるんだという、いわゆる食育の立場でも教育しながら、多く地元の農畜産物を使っていただきたいと思います。 以上で私の一般質問を終了させていただきます。(拍手)         ------------------ △日程第2 意見書案第1号(提案理由説明~採決) ○議長(藁谷利男君) 日程第2、議員提出の意見書案第1号を議題といたします。         ------------------ △提案理由説明 △安部泰男君提案理由説明 ○議長(藁谷利男君) 提出者より提案理由の説明を求めます。20番安部泰男君。 ◆20番(安部泰男君) 〔登壇〕いわき市議会公明党の安部泰男であります。 意見書案第1号道路特定財源の確保に関する意見書について、お手元に配付の案文の朗読をもって提案理由にかえさせていただきます。 道路特定財源の確保に関する意見書 道路整備は、市民生活の利便、安全・安心、地域の活性化にとって不可欠であり、住民要望も強いものがある。 現在、地方においては、主要な幹線道路のネットワーク形成を初め、防災対策、通学路の整備などの安全対策、さらには救急医療など市民生活に欠かすことのできない道路整備を鋭意行っている。 また、橋梁やトンネルなどの道路施設の老朽化が進んでおり、その維持管理も行わなければならない状況にある。 こうした中、仮に現行の道路特定財源の暫定税率が廃止された場合、地方においては約9千億円の税収の減が生じ、さらに地方道路整備臨時交付金制度も廃止された場合には、あわせて1兆6千億円規模の減収が生じることとなる。 こうしたこととなれば、本市の財政運営においても多大な影響を受けることとなり、道路の新設はもとより、着工中の事業の継続も困難となるなど、本市の道路整備は深刻な事態に陥ることになる。さらに、教育や福祉といった他の行政サービスの低下など、市民生活にも深刻な影響を及ぼしかねない。 よって、国においては、現行の道路特定財源の暫定税率を堅持し、関連法案を年度内に成立させるよう強く要望する。 以上、会議規則第14条の規定により提出いたしますので、何とぞ満場の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由にかえさせていただきます。 ○議長(藁谷利男君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。 この際、本日の会議時間は議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ここで、午後4時55分まで休憩いたします。発言の通告は午後4時40分までといたします。            午後4時30分 休憩           ------------            午後4時55分 開議 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。         ------------------ △討論 △高橋明子君反対討論 ○議長(藁谷利男君) これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。22番高橋明子君。 ◆22番(高橋明子君) 〔登壇〕22番日本共産党の高橋明子です。 私は、ただいま上程された意見書案第1号道路特定財源の確保に関する意見書について反対の立場から討論いたします。 この道路特定財源の問題は、必要とする道路ができるかできないかの問題ではありません。必要な道路は、特定財源であろうがなかろうがつくることが当たり前です。私たちは、かねてから生活に密着した道路の整備や歩行者の安全を高めるための歩道の整備など、住民の安全と利便にとって必要な道路を整備することを求めてきました。その点はここにいる多くの議員の皆さん、そして市民の皆さんも同じ思いであります。もし、特定財源・一般財源にかかわらず住民が望む施策を行わない政府であるなら交代してもらうことこそ必要です。 特定財源は、道路をつくるためにしか使えない税金という枠をはめることで、あり余る財源をつくり出す上に、それが本当に必要な道路建設に回らず無駄に使われています。これまで、全国で立派につくったのに車の通行が少ない無駄遣いの道路建設が数多く指摘されてきました。県内のあぶくま高原道路も同じです。現在、全線開通していませんが、数十分走ってすれ違う車はわずか数台という現状の道路に1,300億円もつぎ込んでいるのです。そのため、県内の一般道路整備の予算確保が難しくなっています。 政府が推進しようとしている中期道路計画では、総額59兆円の計画の4割が高規格幹線道路を初めとした大型事業であり24兆円がつぎ込まれます。この間の報道などを見てみますと、生活道路とは関係なく大企業が輸出を進めるのに便利なように、空港や港湾からインターチェンジまで全国どこでも10分以内に行けるようにとか、東京湾などに長大橋道路計画などの実態が暴露されました。計画では、これらの高規格幹線道路を全国に1万4,000キロ張り巡らす計画ですが、小泉内閣のときに9,342キロまで縮小すると決めた計画がいつの間にか復活されるなど、非常に問題が多い内容となっています。 一方で、住民が切実に求めている通学路の整備やバリアフリー化、防災・防雪対策など生活の利便を高める道路づくりには1割程度しか使われません。これらの事業は住民の要望が多いものです。特定財源が一般財源化され、それぞれの自治体が住民の目線でその予算を使うことができるようになれば、こうした事業を大きく進めることができるようになりますし、教育や福祉、医療・保健などの事業にも回すことができます。もともと日本の道路整備は、諸外国に比べても遜色がないどころかむしろ進んでおります。道路の舗装率は97%に達し、道路密度で比較するとフランスの2倍、ドイツの約5倍となっているなど、欧米諸国を上回る水準になっています。そもそも道路特定財源は、国道と都道府県道の舗装率が5%しかなかった50年前に整備が急務だという理由でスタートした制度です。その意味では、既に特定財源としての役割を終えているのではないでしょうか。 また、1973年から1977年の道路整備5カ年計画の財源不足に対応するとして導入された暫定税率も同様に役割を終えています。世論調査の結果でも、上乗せされた暫定税率をやめたほうがよいが61.1%、読売新聞1月16日となっており、現状のままで、道路をつくり続けることに批判的な見方が広がっています。既に役割を終えた暫定税率を廃止することで、ガソリンの価格は1リットル当たり25円下がります。こうして家計を直接支援することで、貧困と格差の拡大など、経済のグローバル化がもたらす痛みに苦しむ市民の暮らしを支援することこそ必要ではないでしょうか。 以上の理由により、意見書案第1号道路特定財源の確保に関する意見書は不採択とすべきです。満場の皆さんの御賛同をよろしくお願い申し上げまして、討論を終わらせていただきます。         ------------------ △根本茂君賛成討論 ○議長(藁谷利男君) 14番根本茂君。 ◆14番(根本茂君) 〔登壇〕志政会の根本茂であります。 私は、本日上程されました意見書案第1号道路特定財源の確保に関する意見書について、賛成の立場から討論を行います。 道路は、市民の日常生活を支える基盤として地域におけるコミュニティーを相互に結びつけるとともに、さまざまな活動を進める上で必要不可欠な役割を果たしており、最も基本的な社会資本としての機能を有しております。とりわけ、広域かつ多核分散型の都市である本市においては、道路網の整備や老朽化した道路の維持更新を図ることが喫緊の課題となっております。 このような中、今期定例会における代表質問への答弁にもありましたとおり、仮に道路特定財源の暫定税率が廃止となった場合、本市においては、地方譲与税や地方道路整備臨時交付金など、当初予算ベースで約18億円の影響があるものと見込まれております。反面、4月からは、ガソリンや軽油の価格が下がることになるため、昨今の原油価格の高騰などに起因する物価の上昇局面にあって、市民には大きなメリットがもたらされるなどの見方が存在しておりますが、私は原油価格の高騰など、世界規模での政治経済上の動きに端を発する問題と我が国固有の税制上の議論とを同列に扱うことは極めて適切でないと考えるものであります。 暫定税率の廃止により深刻な税収不足に陥り、本市の財政運営にとっても大きな打撃となるだけでなく、道路の整備や維持管理の停滞によって市街地などにおける渋滞の緩和や生活道路の安全の確保、橋梁の耐震補強の推進など、市民の日常生活にかかわる幅広い分野において安全・安心の確保が困難となり、利便性の低下と同時に経済活動の面においても将来的に深刻な影響を招来し、ひいては、市勢発展を図る上での大きな障害になるものと懸念するところであります。 こうしたことから、道路特定財源の暫定税率を維持し、関連する法案の今年度内における成立を強く求め、道路特定財源の確保に関する意見書について賛成の意を表するものであります。 以上、趣旨を御理解の上、議員各位の御賛同を賜りますよう心よりお願いを申し上げまして、私の討論を終わらせていただきます。 ○議長(藁谷利男君) これにて討論を終結いたします。         ------------------ △採決 ○議長(藁谷利男君) 直ちに採決いたします。 意見書案第1号道路特定財源の確保に関する意見書について、原案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。           〔賛成者起立〕 ○議長(藁谷利男君) 起立多数であります。よって、意見書案第1号は原案のとおり可決されました。 なお、ただいま議決されました意見書の字句、その他整理を要するものについては、その整理を議長に委任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、そのように決しました。         ------------------ △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 次の本会議は3月10日午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。            午後5時06分 延会           ------------...